ボロブドゥール・バレパン村落での観光体験


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去る1月11日、日本のオルターナティブツアーのスペシャリスト、(株)マイチケット代表取締役会長の山田和生さんをボロブドゥールに迎えて、ボロブドゥールのMGM FMのメンバーとディスカッションを行いました。

ボロブドゥールには、去年1年だけでも370万人の観光客が訪れましたが、ほとんどは寺院のみの観光で、ボロブドゥール周辺には泊まらず、ジョグジャカルタなどに宿泊する人
地元民にはボロブドゥール寺院の観光客からは恩恵が少なく、観光客の出すゴミや使用する水の弊害が大きいのが現状です。ボロブドゥールは、中部ジャワ州マグラン県の中でも最も貧しい村のうちの一つとされています。

そんな中で、ボロブドゥール周辺の豊かな文化や住民の暮らしを知ってもらい、住民の暮らしや周囲の環境に悪影響を及ぼすマスツーリズムではなく、自然にやさしい観光の形を作り上げよう、同時に村人の経済状況も改善して村おこしをしようとする取り組みがボロブドゥールにある村落の一つバレパンで、FMYYがサポートしている地元コミュニティラジオ局MGM FMのメンバーが中心になり、オフエア活動の一環として行われています。

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これから、観光村として売り出す計画で、そのためのイベントや、観光客を招いての村観光プログラムの体験も行われています。

MGM FMのメンバーとのディスカッションに先立ち、私たちはバレパン村落の観光プログラムを体験しました。

ガイド訓練中のバレパン村落の若者たちの案内で、自転車に乗って始まりました。近郊村落の名物、豆腐作りを見学した後、クリポ村落での素朴な陶器作り体験。ろくろを使うのですが、形を作るのがなかなか難しかったです。

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工房の人の助けを借りて、コップや置物などを作りました。その後、バレパン村落近くまで戻り、木工細工を体験しました。付近でとれる自然素材やバティック生地を利用して、伝統衣装を着た人形を鉛筆の先に作るのです。
なぜかなんとなく自分に似た顔になるのに驚きました。

バレパン村落では、とても元気の良くて明るく、よくしゃべるお母さんたちとの、手書きバティック(ろうけつ染めの布)体験です。ハンカチサイズに自分の好きな柄、またはあらかじめ用意された柄に合わせて、ロウ付けをし、一色に染め上げました。

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ロウをとるとその部分は白く残ります。どれもこれも、非常に興味深く、実際に自分で製作体験ができるというのが、とても楽しかったです。

製作したものは持ち帰りできました。

自転車での移動は、村に空気を感じたり、急に興味を持ったところで止まったりできるのが良かったです。

ただし、平たんな場所が多いとはいえ、結構体力がいりました。

ちなみに、バレパン村落では、ほかにもお母さんたちとの地元の新鮮な材料を使った伝統料理体験、若者との地元の大衆芸能の踊り体験、ギブス素材のお土産物の像作り体験、竹彫刻体験もできます。

p_03夜のMGM FMのメンバーとのディスカッションでは、MGM FMのメンバーから様々な質問も出て、山田さんから、多くの有益な提案をいただきました。

本当はバレパン村落の若者たちやお母さんたちもディスカッションに招待されていたのですが、ちょうどその晩は村落内で結婚式があり、ゴトンロヨン(助け合いの精神)を非常に大事にするジャワの人たちは、みんなお手伝いに行っており、来られませんでした。

でも、MGM FMのメンバーが、このディスカッションで得たことをバレパン村落の住民と共有し、この村落を盛り上げていくことを約束してくれました。

今後を期待しています。
(岡戸香里)