日本国憲法を読む!4月は「在日外国人の教育を受ける権利」


金信鏞さん鄭秀珠さん

今月のステーションメッセージ「日本国憲法を読む」は、60年前の1948年4月、日本全国でおこった在日コリアンの自分たちの子ども達への教育を受ける権利それを語っていただきます。
お話いただくのは、在日コリアンのお二人神戸在日コリアン保護者の会代表 金信鏞(きむ・しにょん)さん、もうお一人は、KFC神戸定住外国人支援センター、ハナの会 主任相談員 鄭秀珠(ちょん・すぢゅ)さん です。
60年前、全国はもとより、兵庫・神戸そしてまさにここ長田区で起こった阪神教育闘争424(サ・イ・サ=韓国語で424のこと)、それはどういうことだったのか!それを知る事こそ、これからのこの世界を担い未来を生きる子ども達の教育の原点ではないかと考えます。
日本の植民地支配から解き放たれた在日コリアンたちが、自分達の子ども達に「言葉」「文化」「民族」そして「人間としての誇り」を取り戻すため日本中で教育を開始しました。ここでいう「人間としての誇り」を持つ事、それこそが、すべての子ども達に必要な教育の原点ではないかと考えます!!
本放送は、4月20日日曜日3時からでしたが、再放送は4月23日水曜日夜9時から10時までとなっています。
神戸市長田区であった阪神教育闘争、FMわぃわぃでは、この地の放送局であることを真摯に受け止め、そしてその意味を伝えてゆくことこそが、これからの子ども達のために、私たちFMわぃわぃが成してゆけることであると考えております。


日本全国で起こった在日コリアンたちの「自らを取り戻す教育運動」=教育闘争!
それはどちらかというと運動家たちが政治的目的をもって巻き起こした、、という闘争というよりは、「人間が人間として生きてゆくための誇り」それを取り戻すため声をあげたまちに生きるコリアンたちの運動であったようです。
日本国憲法には高らかにうたわれている「人が人として生きる権利」、しかし日本が世界侵出という野望の拠点とした朝鮮半島の人々は、一旦は日本国民(実質てきには同等の国民位置ではありませんでしたが)としたものの、敗戦を機に日本国民ではないとして、国民としての権利はなくなり、この憲法で規定されている権利はすべて持つ事は、できなくなりました。(現在もそれは日本に住む外国人の状況ではあります)そのことは即ち、在日コリアンの子ども達の教育を受ける権利もなくなりました。そこで今までコリアンとしての誇りを持って生きる!という教育を受ける事が許されなかった自分たちの子ども達に、「言葉」「文化」「民族」そして「人間としての誇り」を取り戻すための教育が、全国の在日コリアン自らの手で開始されました。
神戸市長田区でもいろんな場所で寺子屋のように始めたのですが、当時は神戸大空襲などの戦争の甚大な被害のため建物もままならず、掘立て小屋のような家屋での校舎がほとんどでした。そんな中長田区では在日コリアン多住地域ということもあり、真野小学校や現長田南(旧神楽)小学校などの地域の日本学校の校舎を借りることができ、子ども達への教育を行うことができました。
その後GHQなどの介在も含めた世界の勢力争い渦の中で翻弄され続けてきた在日コリアンの日本での今が形成されてゆきました。
この阪神教育闘争424、それをキッチリと知ること、それこそが地域の人々との長いお付き合いの中から始まった、ここ長田での多文化共生の先駆け、黎明のひと時であった!!ということになると思います。
歴史のそれも特に近代史の正しい認識、知識を一人一人が知る事こそが、真にまちに生きる人々の進むべき方向を記す「道しるべ」になると考えます。
現在も長田南小学校では、当時の色々な歴史的資料が展示されており「共にまちに住む」子ども達への未来への希望を勝ち取るための教育、そこに賭ける人々の思いが見て取れます。
当事者として、この阪神教育闘争を勉強されている金信鏞(きむ・しにょん)さんのお話をじっくり聞き、また鄭秀珠さんの子ども時代の教育、それぞれの違いを見なかったまま素通りする教育に違和感を持つ子どもの心を、その怖ろしさをしっかり受け止めていただきたくお願い致します。