自主的な防災の必要性とコミュニティの大切さを学ぶ~龍谷大学のムラピ山視察受け入れ~


去る2月27日、JICAインドネシアからの要請で、龍谷大学経済学部の方々(大学教員1名、学部生7名)のムラピ山視察を受け入れました。コミュニティ自主防災組織、伝統行事と防災教育の関係などについて知りたいということで、防災活動の盛んなシドレジョ村のリンタスムラピFMへご案内し、インタビューの通訳をしました。


まず、リンタスムラピFM代表のスキマンさんにインタビュー。シドレジョ村での現在の防災活動や伝統的な防災の知識、ムラピ火山に対する住民の考え方などを学びました。伝統的な防災方法としては、山頂から3キロ地点に、ある種類の竹をぐるっと植えておく方法があるそうです。それで、夜中に噴火しても、熱い噴石や灰がその竹に当たって、竹がはぜる音で噴火を知ることができるとか。また、FMわぃわぃの活動ともかかわるラジオを使った早期警戒システムや住民に対する防災ワークショップも紹介されました。加えて、シドレジョ村の子どもたちも、防災活動の一環として行っているファーストエイドトレーニングのデモンストレーションをしてくれました。
カンチンのこどもたち
その後、リンタスムラピFMが防災を含めた援助を行っているギルパサン村へ。この村は、一応階段はあるけれども、滑って足場の悪い谷を下りて登って、片道20分ほどかかる交通の不便な、人口30人ほどの村です。
ギルパサン村へ
息を切らして村に着いた後、村の人たちと村での生活や問題点、リンタスムラピFMとの防災活動の話をしました。この一日を通して、みんな、村の人たちのつながり、助け合いの精神、村やムラピ山への愛着、自然との共存の姿勢に感銘を受け、多くを学ぶことができたようです。「自分は今まで防災活動は受け身でしか考えてこなかったけれど、自主的な防災活動の必要性を痛感した」「コミュニティの大切さ感じた」といった感想を述べてくれた学生もいました。
龍谷大 記念写真
こういう活動を通して、日本へもムラピ山の人々が防災へ取り組む姿勢から学べることを伝えていけると考えています。
(岡戸香里)