「長田今昔ものがたり」第23話


第23話 西須磨のすだれ 2016年12月17日放送

「ゆかしさや、須磨のすだれの朧月(おぼろづき)」、「青簾(あおすだれ)、須磨は昔を悟りけり」、西神戸にあって須磨はなんとなく情緒があります。江戸時代より、「すだれ」が須磨の風物詩として粋に詠まれています。一の谷で有名な源平合戦のころは、山が海にせまり、通行できず、西国街道は遠回りをしていました。茅葺きの家が多い寒村で、江戸時代には、道が開け、この家々の前を「下にー、下にー」と、参勤交代の大名行列が通るようになりました。土下座して行列の通過を待つのですが、「簾」越しに行列を迎えることが住民の知恵でゆるされ、すだれの風習が残りました。

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第23話 須磨のすだれ(明治初期)須磨神戸市編入50周年発行「須磨」より