ペルー沖地震被災地支援募金:現地視察のご報告


自身も寄付者のひとりで、私たちとも長く 一緒に活動してきた小倉健一郎さんが
先月現地視察を行い、レポートにまとめてくださいましたので
皆様にご報告いたします。


昨年8月15日にペルー南東部にマグニチュード8の地震が発生し、ピスコ、イカ、チンチャといった町が大きな被害を受けました。日干し煉瓦で出来た家屋が4万戸以上倒壊し、死者540名、負傷者15000人以上、合わせて8万人以上の被災者が出ました。
今回、このペルー地震に対して「FMわいわい」でも義援金を募り、約40万円を現地で活動するNPO法人ICA文化事業協会に委託しました。
この1月21日、私は震災以後現地で活動するICA文化事業協会の伊藤さんの案内でチンチャ地域の視察を行いました。

地震から5ヶ月が経ち、崩れた日干し煉瓦や瓦礫は片付けられていました。
でも家屋を失った人々の多くは、まだテントや簡易な小屋(シェルター)で暮らしています。プレハブのような臨時の住居はどこにもありません。電気は勝手に(?)電線を引き込んでいる人もいれば、電気のない生活をしている人もいます。水も同様に不足している場所がたくさん残っています。
全体的には、まだほとんど復興が進んでいない印象でした。
被災によって仕事を失った人も多く、生活自体がままならない状況です。
ICA文化事業協会は、ここで1軒100ドル程度で出来るシェルターと呼ばれる簡易ハウスを設置し、地域毎の給食事業も行っています。
簡易ハウスの資材費用は日本の資金で提供されますが、設置にはまず住民のリーダーを組織しトレーニングを行い、そのリーダーを中心に住民自らが労働力を提供して設置していきます。
給食事業も同様に、炊き出し所と住民を組織し、被災者自身で運営していくようにしてあります。鍋やガスレンジ、調理道具などの初期費用は提供されますが、日々の食材費は利用者からも集められます。ここで作られる昼食(昼のみ、夜はありません)は私も味見しましたが、とても栄養バランスがよく、美味しかったです。
この地域は温暖で雨が少ないので、テントや簡単な小屋でもしばらくは住むことが可能です。しかし自分の家を建て直し、生活を安定させるまでの道のりはまだまだ険しいと感じられました。
そうした中、日本人の伊藤さんが現地の人々と共に、食と住という生きるうえで大切な部分で、顔の見える支援を行っていることがわかりました。

今後、伊藤さんは1800戸のシェルター建設と、110箇所の炊き出し所に対する新たなプロジェクトを行う予定だそうです。
「FMわいわい」で集められた浄財は直接、伊藤さんの手によって、現地の人々の生活復興に役立てられる予定です。

報告者:小倉健一郎