年末年始特別番組2011年12月31日「京都大学原子炉実験所小出裕章助教インタビュー1」(アーカイブ)


2011年12月31日土曜日12時からは、4月23日土曜日放送した京都大学の泉佐野熊取の原子炉実験所での小出裕章助教のインタビューをお送りします。
このインタビューは、日本に生活する言語的バリアーの有る外国人にも、原子力の基礎知識を知ってもらうことが目的。
このことを小出先生にもご理解いただき、わかりやすい日本語で解説していただきました。

原子力発電所は、福島にのみあるのではありません。
日本中に54基の原子力発電所があり、それは大消費地域にあるのではなく、消費地から遠く離れた過疎の地域に建設されているという現実を知らなくてはならないとおっしゃいました。
FMわぃわぃのある神戸も原子力発電所はなく、しかし原子力産業で経済的恩恵を受けている地域であります。
小出先生が40年間の長きに渡り、「原子力」の専門家でありながら、反対されてきた根本の理由としてあげられたのは、次のことでした。

「自分だけはよくて危険は人に押し付ける。その社会構造が許せなかったから。」と。

今回の私達の取材は、「原子力における悪者」を探り出し、そこに全責任を負わすために行ったのではありません。
震災、そして津波、、、その後にマスメディアで知った「原子力発電所の事故」
それはいままでの災害からは受けたことのない、底知れない恐ろしさを私たちに与えました。
『とうとうここまできたか』と私自身思ったのは確かです。
つまりみんな薄々その不気味な感覚、天をも恐れぬ、、という人間の貪欲さに危機感を感じていたのではないでしょうか。

自然災害の脅威だけでなく、人間の便利・快適追求のために造ったものが、さまざまな人々を苦しめているこの現状を、どのように乗り越えてゆくべきか、その道筋を求めるため、自分たちにも確信のできる方からのインタビューを放送するため、「小出裕章」という方の名前があがりました。私たちの仲間が信じる人でした。

今を生きる私達一人ひとりが、今一度社会の成り立ちやその在りよう、そして自分の立ち居地、足跡を、真摯に見据え、覚悟をもって前進するための一助としたいと願って行動しました。
この前進の先には、次代を生きる子ども達に「誇りをもって受け継げる世界」を必ず創らなくてはならないと考えています。
一人一人が自分のできる形で、形にしていけるよう、FMわぃわぃはあなたの声になり、耳になります。