毎月第2金曜日「まちはイキイキきらめきタイム」の時間は、12時30分からは「技術のつくだ煮」は、今回は佃のマイオピニオンです。


正栄技研 河原社長

技術のつくだ煮:正栄技研 河原守さん

2014年2月14日、第2金曜日のまちはイキイキきらめきタイム「技術のつくだ煮」のゲストは、(株)正栄技研 社長 河原 守さんです。

御自分の親御さんが60歳を過ぎて障害者になり、当初は輸入した階段昇降機を使用したが、怖がって殆ど利用する事がなく、垂直リフトが出来る前に亡くなられた。機械設計事務所を経営していたので、兵庫県の支援も得て、ユニバーサルデザインを取り入れた垂直リフトを3年かけて開発した。福祉機器は使う人の症状がそれぞれ違うので、症状に合わせた設計(オーダーメイド設計)が必要である。

当初開発した垂直リフトは“長田”からとった「チョータくん」と命名した。「チョータくん」は暖かみを感じられることを考え、木製家具調の設計にした。その後、神戸市の第1回デザインルネッサンスに応募し、世界的デザイナーの喜多俊之先生と一緒にアルミを使った、軽くて乗る人も安心出来る、斬新な設計の「ワンツーリフト」を開発した。
喜多先生は工業デザイン界のノーベル賞と言われるCompasso d’ Oro 賞をアジアでは初めて受賞された方で、海外にも多くの事務所をもって、世界中で活躍されている。

垂直リフトを開発した結果、多くの御家庭を訪問することが出来、困っている事が沢山見えてきた。それが新商品の引き戸装置の開発に繋がった。障害者と健常者が一緒に居住している場合、障害者はリモコンで開閉が出来、挟み込みの心配がないよう配慮していること、健常者は、通電している場合ても、容易に手で開閉が出来るようにしている。更に停電の場合でも開閉出来るようにしている。

会社は少人数でスピーディに経営する事を方針としている。一人ひとりが天才になり、総合すると集合天才になることを目指している。天才は最低限5人必要である。協力会社も含め、皆が自信を持ってスピーディに仕事をすることが大事と考えている。

(株)正栄技研は、社長を含め5人の零細企業ではあるが、常に利用者の立場に立ち、その要望を完璧に実現する設計をし、満足してもらえる福祉機器を提供している。そのために大企業に負けない確固たる経営方針をもち、社員の技術力を高める努力を常に行い、その成果を、利用者には安くて良い商品の提供に繋げている姿はとても素晴らしいと思いました。
世界的工業デザイナーの喜多俊之先生と個人的にも繋がりが出来るのは、川原さんの人徳と思いました。