防災訓練の捉え方の違い~サミラン村・シドレジョ村のコミュニティ防災ワークショップより~


皆さま、こんにちは。インドネシアから近藤です。コミュニティ防災活動を新たに4つの村で始めるという記事(9月4日)の続きで、9月に入ってからサミラン村とシドレジョ村でも同じく、コミュニティ防災活動を紹介するワークショップを行いました。どの村でも神戸の防コミ(自主防災組織)の活動の様子を紹介するDVDを見てもらい、どの村の人たちも同じ反応かと思いきや、サミラン村とシドレジョ村では真逆の反応が返ってきました。

サミラン村では、このDVDを見終えた後に思いもよらぬ発言がありました。
「この村では悪い事を想定して物事を行うと、それが本当に起きてしまう迷信があるから、DVDの映像のような、防災訓練は受け入れられないです」と、ある女性からの発言があり、他の参加者の方々も同様に、確かにそれは難しいといった雰囲気になりました。

迷信・・・村の人たちが代々語り継いできた価値観・・・

言われないと考えもしなかった事だったので驚きましたが、あくまでも村の人たちがこれなら出来ると賛同した事を、一緒になって取り組んでいくということになりました。日本の防災訓練のようなことを大々的に行わず、まずは女性グループの方々と土砂災害の危険に瀕する地域へのアドバイスを一緒に考えることから始めます。

<サミラン村女性たち>

一方、シドレジョ村ではDVDを地元青年団が食い入るように見てくれていて、防災訓練を楽しくやろう!という返答が返ってきました。この村では元々、Lintas Merapi FMというラジオ局の代表の方が、ラジオの活動とは別に、子どもたちと防災訓練や自然について学習するという活動をされています。その影響もあると思いますが、参加者の方々の防災訓練に対する関心は非常に高かったです。

シドレジョ村では、小学校の先生と青年団の方が、地域の子どもたちに防災に関する指導を行えるよう、これから研修を進め、子どもたちとの活動を行う予定です。

<シドレジョ村小学校の先生>

活動対象村落の6村、それぞれでコミュニティ防災活動が本格化していく段階になりました。どの村でも、しっかりとコミュニティに根付く活動を進めていきたいと思います。