2月10日7時~9時放送の「ヨボセヨ」に頂きましたご意見に対する番組制作責任者としての答え。


いつもFMわぃわぃをお聞きいただきありがとうございます。
番組制作責任者、金千秋です。
FMわぃわぃは、95年の阪神淡路震災から、本当にたくさんの方々に放送に参加いただき、また番組に対しても様々な方から真摯なお声をいただき、心より感謝申し上げます。
2月17日日曜日に10日放送の「ヨボセヨ」の放送内容についてのご意見をいただきました。
FMわぃわぃに対する温かいお心と共にいただいたご意見でした。ただ匿名で頂いたご意見であったため、直接にお返事をすることが適いません。
今週の日曜日夜の7時からの「ヨボセヨ」Kチームの放送は、都合により2月10日の放送を再放送いたします。
そこで、番組の放送直前に6時55分~7時までの5分間、音声でFMわぃわぃの番組制作責任者としての判断を放送すると共に、ホームページでお返事させていただきます。このような方法でお伝えしますことご了承くださいませ。

たとえお叱りのご意見であったとしても、このようにわざわざご連絡くださいましたこと、心より感謝申し上げます。

結論としては、この番組はFMわぃわぃらしい番組内容であると判断いたしました。そのため本日は、全く編集や削除などすることなく、10日放送したものをそのまま再放送でお届けするに至りました。

「ヨボセヨ」は1995年から放送しているFMわぃわぃ最長番組です。
番組が始まった95年当時と現在は、韓国の音楽、ドラマに対しての社会的反応は、隔世の感がございます。
韓国ドラマがNHKで放送され、日本のみなさまに広く愛され、韓国の音楽を放送する地域のラジオ局も増えております。

大変僭越ではございますが、私どもFMわぃわぃのコリアン番組は、決して時流に乗って生まれた番組ではなく、明らかに一線を画した番組構成であると自負しております。
私たちの局で放送しているコリアンの番組は、その目線を朝鮮民主主義人民共和国や大韓民国という「国」においているのではありません。
在日コリアンという、この国に共に住んでいる「在日の人々」に重きを置いています。
現在は二つに分断されてはいますが、そのルーツとする朝鮮半島の音楽やその文化・歴史をお知らせするのはもちろんのことであります。
しかしながらその本筋は「在日として生きる」「この国で共に生きている国籍の違う人々」の視線をお伝えすることです。

そしてこれは、他の外国語番組や障害を持つ人々の番組、そしてもっと広い意味では、すべてのFMわぃわぃのいろんなカラーはありながらも、すべての番組に共通するFMわぃわぃの根幹であります。
地域で共に生きていながら、しかしそれぞれのいろんな要因~国籍、性別、身体的、経済的なこと~から生まれる違い、そこから派生する社会の中の生きにくさや葛藤があることをお伝えし、地域で共に住む人々の中には、自分とは違ういろんな観点、感性、価値感があることに気づいていただくこと、
そのことこそが一人ひとりが自分らしく生きることのできる「だれにとっても生きやすいまちづくり」につながると信じております。
またその「まちづくり」に役立つためのラジオこそが、「コミュニティラジオ」であり、FMわぃわぃは「コミュニティラジオ」たらんと進んでいる局であります。

毎日の放送をお聞きいただく中で、きっと違和感を感じられる、違った感想を持たれるということも生まれていると存じます。
しかし今回のご意見をいただいた番組に関しては、在日とは、「祖国ではなく、母国ではなく、しかし生きていく国である日本で生きること」
そのどこにも属することがむずかしい、揺れ動く心が、大変明確に出ている秀逸な内容であると判断しました。

特にご意見いただきました大変有名なスポーツ選手の話を切り口にするコーナーですが、単に有名選手の噂話に終わらせず、全く在日問題など興味のない人々の耳にも止る「柔らかい広い入り口から入り、その先にある真に伝えたいこと」にまで繋がる中々秀逸な出来だと判断いたしました。

まだまだスタッフにもその芯の部分を伝える力の不足があったかと存じますが、何卒再放送のこの機会に、この観点で再度お聞きいただきいただければとお願い申し上げます。
そして是非FMわぃわぃまで忌憚のないご意見を、いただければ幸いでございます。
今後ともFMYYをご視聴いただきますこと、FMYY番組制作責任者として、FMわぃわぃのスタッフ一同と共にお願い申し上げます。
2013年2月24日土曜日  総合プロデューサー 金千秋