2006年度第8回番組審議会議事録


1.開催日時 2007年2月21日(水)17時~18時

2.開催場所 弊社サブスタジオ

3.委員の出席
3-1.委員総数 7名
3-2.出席委員 6名 為岡務・正岡健二・萩尾利雄・ 高木邦子・山本幸男・澤田智恵子                                       
3-3.欠席委員 1名 中村忠司
補:放送事業者側出席者 日比野純一・金千秋・平野由美子

4.議事
 4-1.番組審議
第8回審議番組  1月28日(日)17:45~17:55放送
            2月 4日(日)17:45~17:55放送  
「 日本語 どこが違うの?」  

それぞれ翌週の金曜日「まちはイキイキきらめきタイム」
(12:00~13:30)の中で再放送。
       
パーソナリティ:甲南大学文学部日本語日本文学科教授
中畠  孝之 さん

 近年どこの自治体でも在留外国人の数が増加しており、その存在が日本社会にとって欠かせない存在になりつつあります。
 しかし、実際に日本語を駆使することはかなり難しく、区別に困るような表現などが多々あります。
 また、日本語が乱れていると言われ続けていることもあり、正しい使い方やどこがどう違うのかという表現を、具体的な例を挙げて易しく丁寧に解説していただく番組を制作しました。

5.議事の概要 
5-1.番組の基本コンセプトの説明後、審議を行う。
   


6.審議内容 
 6-1.出席者の審議

【高木邦子委員】
  久しぶりに国語の勉強をさせていただいた。
  音楽からして教養講座を聞いているような雰囲気。
  10分という短い時間だったので楽に聞くことができた。
  中畠先生の声がすごくソフトで柔らかくて聞きやすかった。
  こうして勉強になるものであれば次も聞いてみたいと思った。

【澤田智恵子委員】 
  非常に面白かった。“へぇー、そうなんや”と思いながら聞いていた。  
  ただ、外国人の方はこれを一回聞いただけで分かるのだろうかと疑問に思った。
  私も繰り返し聞いて初めて分かったり、“あぁ、そうか、そうか”と思ったことが多かったので、日本人のための日本語講座という印象を強く受けた。
今回の素材はあらかじめ私共のスタッフ全員にも聞かせたが、やはり皆同じように一回聞いただけで分かるのかという感想であった。

  「他動詞」や「自動詞」という単語も、一瞬、“えっ?それって何だったっけ?”と聞き直さないと分からないような状況もたくさんあった。

  しかし、普段私たちも分からないまま使っている言葉を非常にアカデミックに解説していてなるほどとうなづける内容であった。

  続けて全部を聞いてみたい。
  できたら一つの物にまとめて欲しい。

【山本幸雄委員】
  私も何遍も聞いた。何遍聞いても普段の自分の喋りは無茶苦茶だなぁと思った。
  普段から気をつけて喋ろうかなと思ったりもしたが、きっと駄目なんだろうなと思う。楽しく聞くことができた。 

【為岡勉委員長】
  面白いテーマで面白い捉え方だなと思ったのが最初の感想。
  
  私たちの忘れている言葉が何かあるような気がした。
自分の喋っている言葉を振り返ると、日本語というのはもっと丁寧に喋って伝えていかないといけないのではないかと感じた。
  何度も聞き返してみたい番組であった。

  10分間はちょっと短いのでないか。

【高木邦子委員】
  これくらいで十分である。

【為岡勉委員長】
  ひとつのテーマで10分間を通すというのがよかった。 
  内容については番組としての面白さを充分感じられるものであった。

【萩尾利雄委員】
  最初の音楽、先生の声、話す早さなどちょうどよかった。
  内容としては外国の人に日本語を分かってもらうものとしてはちょっと難しすぎるのではないかと思った。ただ、番組としては“目から鱗”みたいなところがあってなかなか面白いので継続してもらいたい。

  話し言葉というのは時代とともにどんどん変わっていくのが致し方がないことではある。しかし、文字にして書く時に話し言葉のまま書いてしまうという悪い癖が私たちでも出てしまうので、その話すのと書くのとの違いというところまで話が及んで行くともう少し分かり易いのではないかと思った。やはり外国の人向けではないかなとは思う。

【高木邦子委員】
  日本人にも難しいですよね。

【萩尾利雄委員】
  番組としては面白い番組であると思う。
なかなか民放ではやらないような中身なのでそういう意味ではいいかなと思う。

【正岡健二委員】
  番組的には非常にいい番組に仕上がったなという第一印象。
  先生は話すことに当然慣れていらっしゃる。

  これがテレビだと、ボードが出てきて先生が書きながら説明をしてくれるのを見ていれば視聴者はどんどん頭に入ってくる。
そういうところからもラジオの難しさというものが非常によく分かった番組。
これがテレビだったらもっともっと吸収できる。資料に添えてある13回の内容もテレビでなら30分ぐらいで全部消化できそうな気がする。
ただ、言葉だけであれだけきちんと伝えようとすると、パーソナリティ側に相当の経験を要するものであろうと想像する。
(話し手が)普通のレベルでは伝わらないであろうと思う内容である。

  放送の時間帯が夕方の5時台。 
どちらかというと何かをしながら流して聞いてしまう時間。
そういう意味では内容を考えると時間帯がずれた方がよいのではないか。
夜がいいと思う。
 
  出だしの音楽はよい。音楽を流す時間のバランスが少し気になった。話と話の間に入るものが10分の番組にしては長い。半分以下の長さでもよいと感じた。
 
  言葉を伝えるということは単に教わった言葉を話すことだけでなく感覚的なことも含めて伝えるということであると思うし難しいことと実感。

【萩尾利雄委員】
  丁寧語の使い方は難しい。

【放送事業者側出席者:金千秋】
  パーソナリティの中畠先生は甲南大学文学部の日本語科の先生で、神戸学生・青年センターなどで日本語を学習している留学生のためにボランティアで日本語講座をなさっていらっしゃいますし、また、日本語を教える人たちのための講座というのも開いておいでです。それらを存じ上げておりましたので、外国人のためだけでなく語学のひとつとしてラジオでの日本語講座をお願いしました。

  普段ご自分の講座では、板書をしたりご自分がお書きになったものをテキストにしてお話になっていらっしゃるそうですが、今回番組をするにあたり最初の1本目を作るのに収録に2時間かかりました。
 事前に原稿を書いてきていただいておりましたが、私が収録時に第1リスナーとして聞いてみて分からないと思ったところは、表現を変えてみませんかとか、もう一度繰り返して話してください、というように遣り取りをして作りあげました。

  また、そのようにして遣り取りしたことになるほどと納得されると、次の回の原稿にはそれらが盛り込まれたものを用意してきてくださいました。

  ご本人は演劇がお好きです。こういうアナウンスも大変ご自分の勉強になるととても楽しんでくださっておいででした。
 
  やはり耳だけで聞く、目をつぶったままで言葉を理解させるというのは相当難しいものです。

 結構レベル的に高いと思われるのは、先生ご自身が、普段から日本語を学習している留学生のための講座をなさっておいでだからだと思います。
 私も先生がおっしゃることをどこがどう違うのかが分からなかったこともあって、「こういう言い方はしませんよね?」と聞かれても「いえ、します。」と答えた場面もあり、ボツになった内容もありました。

  先生はどちらかと言えば言葉の専門家です。
  言葉が変わっていくのは仕方がないし当たり前のことだと考えますが、“ここだけは譲れない”という部分を含めて現代の日本語というものを教えていきたいというお考えをお持ちの方です。

  日本語を教えていらっしゃる方から質問されるとこに、留学生に「なぜ?」と聞かれた時に「なぜか分からないけれど昔からそう言っている」と答えてしまう事柄がよくあるらしいのですが、そういうものを解明していきたいという視点に立ち、それらを中心に“同じように使えるけどちょっと違う”という表現を取り出して、今回は13回のプログラムを組んでいただきました。

  この番組はライブラリーにして何度でも聞くことができるようにする予定です。
  音に関する微調整はそのときにいたします。

7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置
   担当の中畠先生は2月25日から台湾へ6ヶ月間学外講習のため出張。
   最後の番組収録時に審議内容をお話するともに、審議内容の詳細はインターネット上での検索をお願いした。
   帰国後新しいバージョンの制作を依頼。

8.審議内容の公表について
8-1.公表内容 議事の内容
8-2.公表方法
8-2-1.自社放送 ‥2007年3月31日(土)17:50~18:00放送予定
8-2-2.議事録の設置
8-2-3. ホームページに掲載