2019年6月22日「第146回ゆうかりに乾杯」


2019年6月22日 FMYYの番組「第146回ゆうかりに乾杯」のゲストは、茨城県在住でレストランマネージャー、ガーデンプランナーの森 万里さんでした。

この番組はFMYYのyoutubeLiveで配信されました。

森さんは、元々神戸出身で兵庫高校では茶道部、美術部に所属し、また文化祭では本格的な蕎麦屋を出店するなど楽しい学生生活を過ごされました。その後嵯峨美術短期大学で洋画学科を専攻され、卒業後は広告代理店にデザイナーとして就職し、案内表示板やロゴの製作他、今も残っている作品としてはポートアイランドの国際交流会館の施設名のデザインもされました。

結婚後茨城県日立市で生活を始め、家業の建設業を手伝いながら子育てをされました。阪神大震災が発生した時は、遠く離れているため何も出来なジレンマと虚しさに苛まれました。関東から見ていると神戸の人たちの前向きな気持ち、頑張っている姿に励まされたそうです。

東日本大震災は東北6県だけでなく関東も大きく被災しました。住んでいた地域は地震被害が大きく、翌日からは出勤してきた従業員など毎日50人分の炊き出しをされました。震災の復旧は進んだが、福島原発から100㎞なので、風評被害、出荷できないものがあるなど原発の影響は今も続いているそうです。
現在の仕事は、ガーデンプランナーとして地域に貢献すると共に、茨城の食材を世界に発信することを目的に、イタリアンレストランのマネージャーをされています。

まちづくりに関わっている人達で、1昨年から新田次郎原作「ある町の高い煙突」の映画化に取り組みました。この映画は日立市が舞台で、日立鉱山から出る煙害を何とかしたいと立ち上がる青年たちと企業の実話です。
煙害の影響で禿山になり農業は出来ず、住民と企業の粘り強い交渉の結果建設されたのが大煙突(155.7m)です。煙害に強い植物を研究し、禿山に500万本の植樹をし、そのうち260万本は煙害に強い大島桜が植えられました。大煙突と桜は日立市のシンボルになっています。

主演の井手麻渡さんはご両親が兵庫高校のOBで、また映画に出てくる社長の久原房之介さんは神戸に関係の深い孫文のパトロンでした。このようなことから神戸でも是非上映したいということで実現し、全国ロードショーは6月22日から、神戸はOSシネマハーバーランドで6月28日から上映されることになりました。また6月23日は特別に10時から上映後、主演井手麻渡さんの舞台挨拶がありました。

明治維新後の急速な工業化の負の側面として、足尾銅山や別子銅山の公害問題がよく知られています。この映画は、住民と企業との良好な関係が構築できたことで、双方にとって満足の出来る解決策を見出した経緯を知ることが出来ます。公害問題は常に住民と企業の対立の構図に陥ってしまいますが、この映画の場合両者の解決に向けた努力が素晴らしい結果につながった事例として、現在の我々にも学ぶことが多く、多くの皆様に鑑賞をお勧めしたいと思います。

放送音声及び文書化した放送概要は、「ゆうかりに乾杯!」の下記URLで、近日中にご覧いただけます。
http://yukari-ni-kanpai.sakura.ne.jp/
ゆうかり放送委員会 佃 由晃