2023年2月18日「ワンコイン番組」2023年1月27日国際フォーラム2023@ポートピアランド神戸国際会議場・宮本リポート



内閣府主催開催、ポートアイランドにある神戸国際会議場「国際復興フォーラム2023」を会員の宮本健一郎氏がリポートしました。
フォーラムではニューオリンズでのカトリーナ災害やクライストチャーチの地震、フィリピン、インド、インドネシア、パキスタン、バングラディッシュ、エルサドバドルなどからのビルドバックベター、創造的復興が報告されたのですが、著作権の関係上、画面は公表可能な資料のみで、名古屋大学武村先生のご専門である関東大震災に関するIRP公式youtubeリンクだけです。
日本では関東大震災発災9月1日が防災の日ですが、今年2023年はその100年です。そういう年にトルコ・シリア地震が起こったのは、他人事ではなく、自分ごととして、復興とは何なのか?それについてじっくりと受け止めたいと思います。

関東大震災は、明治維新以降の産業都市化政策で、基盤整備無しに軟弱地盤に人口を集中させたのが、被害を大きくした原因です。この原因を解消し、立派な首都とするため、皇居の東側で隅田川を挟んで復興都市整備が進められました。
今も東京の基盤をなす街路網は、この時に形成されました。
橋梁も沢山架け替えられたのですが、耐震耐火性能はもちろんのこと、美観にも配慮し、今も地域の優れた構造物として現役であり、重要文化財として愛されています。
残念なのは、第二次世界大戦の後の戦果からの復興でのまちづくりです。
関東大震災後設計された、公園や小学校校舎、高速道路、戦災にも耐えた優れた景観を育む公共施設を、戦後は経済性の優先により、それらの公共施設、敷地を自ら破壊し、社会基盤整備を怠ったまま東京へ人口が集中しるといった明治初期と同じ脆弱な木造密集地域が広がってしまったことです。都市としての品格を失ったまちが巨大化し、またもや100年経っ現在地震に強い街づくりをしなければいけなくなっています。
さて翻って阪神淡路から28年、かつての関東大震災後のまちづくりを行なった東京市民の気概を持って復興に取り組めた稼働か。。。それについての見解を広げていきましょう。
 創造的復興を掲げたものの、「焼け太りは許さない」や「個人補償はしない」と言った中央政府に押された結果が、神戸港や神戸を含む周辺市町の凋落に繋がったのではないか?
そこで留まってばかりではないのか?
 人口減少や、若い人の人口流出もあるが、シャッター街を作っただけで復興の修正は進められているのか?
 今、三宮再開発やアリーナ建設、王子公園再開発などのプランが示されているが、必要性はよく分かるもののアウトカムとして、その結果、どの様にして人生が豊かになるのか、イメージできているのか?
 人任せになっていないか?
フォーラムで各国の取り組みが紹介されるなか、心に響いた言葉は、「地域の特徴を活かした、長期間修正し続ける取り組みや教育、人材開発が重要」でした。
 たかとりコミュニティセンター代表、神田神父がいつも言われる「まちづくりは、ダチづくり」ここに尽きるようでした。
さて
 そんなモヤモヤしている気持ちを胸に、先日、摂南大学の卒業研究発表展を拝見させて頂きました。学生の提案の中に、ウクライナ戦争後の慰霊施設がありました。ドニエプル川を挟んでロシア側、ウクライナ側から、それぞれの戦没者を悼む言葉が刺繍された布をつなぎ合わせてテントにしていく施設です。とても軽々ん豊富な?我々おっさんおばさんには考えも及ばない、敵味方をつなぎ合わすという慰霊の使節提案!!素晴らしい発想です。
今、トルコ・シリアが大変なことになっています。これから長期の復興活動を進めなくてはなりませんが、是非とも各国の事例を参考に、特に復興哲学をしっかり持って、長期間諦めずに取り組んで頂きたいのと、これからは若い人の発想を大切にして実装して頂きたいと感じました。