「関西学院大学山中研究室「耳をすましてリスニング・トゲザー」」カテゴリーアーカイブ

4月7日火曜日プロローグそして14日から5月5日火曜日(再放送は木曜日)トルコの多様性をお届けします。

トルコ1

毎週火曜日お昼の13時からは関西学院大学総合政策学部山中速人研究室の実験番組「耳をすましてリスニングトゲザー」
春学期の2年生の番組が開始されるまでは、特番を4回にわたりお送りします。
今年はトルコ・イスタンブルを中心に現地取材を行い、「アジアとヨーロッパが出会うまち「イスタンブル」~その多様性を散策する~と題してお送りします。
イスタンブルは、その中心を貫くボスポラス海峡が、黒海、マルマラ海、そして金角湾に注ぎ込むということから、ヨーロッパとアジアの古代からの文化発祥の多様な地域を結ぶ海洋交通のハブのような役目を果たしてきました。
そのためイスタンブルという都市は、地中海沿岸地域の歴史において、常に中心的な役割を担うこととなったのです。
特にほとんどの黒海沿岸諸国にとってはこのルートが唯一の他の海域に接続する海路であるために、
大型船舶が列を成してひっきりなしに通行しています。
このことでイスタンブルは、かつてのローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国という約1600年にもわたるそれぞれの大帝国の首都としてその時代を過ごしてきました。
それらの時代、時代が残した宗教も思想も民族も歴史も文化も違う様々なものを破壊ではなく、多様なものを緩やかに飲み込んだまま、新たな形を生み出していくという都市を形成することで、
それがイスタンブルの魅力となり、世界中の人々を惹きつけているのは、よく知られているところであります。
ここを訪れる人は、この国の「多様性を緩やかに容認するその姿勢」に大きな感銘を受けることでしょう。
第1回は4月14日、第2回は4月21日、第3回は4月28日、第4回は5月5日の毎週火曜日13時~13時25分
火曜日は音声でお届けしますが、その週の毎週木曜日4月16日、23日、30日、5月7日は、FMわぃわぃのトップのUST画面で映像でも配信します。ぜひその多様性を映像でもご覧ください。
近年イスラム教とテロというのがステレオタイプのようにニュースの紙面、場面に踊っています。しかしながらイスラムの教えも、すべての宗教に共通する、「すべての人が共に幸せに生活していくため」、人知を尽くし、時間をかけて創られた宗教思想・哲学に基づいたものです。イスラムの国トルコでは、イスラムの祈りの場所モスク(ジャーミー)に、祈りに行きましょうと呼びかける声もキリスト教の鐘の音も日常の中に共に聞こえるのが当たり前の生活ということこそが、多様性の中で生きる!という実感でありました。

関西学院大学総合政策学部山中速人研究室3年制作「阪神・淡路大震災から20年シリーズ」開始!

関西学院大学3年稲岡さんと山本さん

(写真は6日担当の右側、稲岡薫さんと左側、山本由里香さんです)
2015年1月6日火曜日から、関西学院大学山中速人研究室の3年のゼミ生たちの制作番組放送開始です。
今年は震災20年、24人の学生たちが聞く
「あなたと話したい、復興ってなに?」実現したこと、しなかったこと。
阪神・淡路大震災から20年、あらためて復興の意味を考える。

震災を知らない世代の大学3年生だからこそ聞く、20年前のお話。
24人の学生が、一人ずつ24人の方にじっくりとお聞きすることで、それぞれの震災を他人事(よそごと)、絵空事、語り部さんから伺うお話としてではなく、自分たちが生きていく、自分たちの未来のまちでのこととして「自分事」となるよう期待を込めての企画です。
ぜひお聞きくださいませ。
放送日程は1月6日から毎週火曜日13時から、再放送はその日の夜10時半からと木曜日の13時から。
またFMわぃわぃのwebサイト関西学院大学山中速人研究室のサイトでもお聞きになることができます。

関西学院大学総合政策学部山中速人研究室の特別番組「目からウロコ」のウィキペディアのお話」

東京経済大学教授山田晴通さん

11月18日火曜日13時から、そして25日火曜日13時からの2回にわたって、関西学院大学総合政策学部山中速人研究室のお送りする「耳をすましてリスニング・トゲザー」は、特別番組として放送いたします。
連続して2回ご出演いただくのは、東京経済大学の山田晴通教授のお話です。
題して~「目からウロコ」のウィキペディア~
ウィキペディアは、みなさまもご存じのように便利な情報源です。
なにか知りたいことがあると、たいていの方はネット(たとえばグーグル)で、すぐに検索するでしょう。
すると、ウィキペディアの記事が上位でヒットされてきます。
ウィキペディアの記事を読むと、たいがいのことは書いてあります。
なんて便利なツールでしょう
しかし、どこまでその記事は、信用できるのか?
誰が書いているのか?知る人は少ないのが現状です。
日常的にウィキペディアを使ってはいても、その記事がどのように作られているのかを、知らない人がほとんどでしょう。
日本語版のウィキペディアで、唯一、実名を明かして管理人を引き受けているのが
今回放送に登場していただく山田晴通さん(東京経済大学教授)です。

その彼に、ウィキペディアがどのような仕組みを持ち、その記事がどのようにして作られ、どんな長所や弱点を抱えているかを語っていただきました。
じっくりとお聞きくださいませ。

関西学院大学総合政策学部山中速人研究室実験プロジェクト~メディアの実践4年~

関学4年

関西学院大学総合政策学部メディア情報学科山中速人研究室のゼミでは、2年生から3年、4年とコミュニティラジオでの発信を行っています。
これは実験プロジェクトとして、各学年それぞれのコンセプトを毎年課題として与えられ、学生自身が自ら取材し、それを番組として制作し、発信し、FMわぃわぃのサイトでライブラリーとして音声アップも行います。
この番組は毎週火曜日13時から、再放送はその日の夜の10時半と同じ週の木曜日の13時からです。

関学4年

4年は自分でミキサーも体験します。その研修を終えて、頑張るぞ!のファイティングポーズのゼミ生たちです。

「ヘイトスピーチの背後にあるもの~歴史認識問題はなぜ生まれるのか?」その1再放送

コメンテーター能川元一さん

先週までの樋口さんのシリーズに引き続き、春にお送りした哲学的見地からヘイトスピーチについて解析された能川元一さんの放送を、2014年8月19日火曜日13時放送を5回にわたり再放送でお送りします。
樋口直人さんの在特会幹部への取材から見えてきたのも、解析と合わせて検証いただくことを期待しております。
今後FMわぃわぃのWEBに音声アップしていく予定です。
「ヘイトスピーチの背後にあるもの、歴史認識問題はなぜ生まれるのか」放送概要

第一回4月15日放送分の再放送

ヘイトスピーチとは何か
街頭でのデモで人種差別を声高に叫んだり、サッカー場で差別的な横断幕を広げたり、特定の人たちやマイノリティの人たちに差別的な表現を激しい言葉でぶつけるなどのことである。様々なところで行われるヘイトスピーチやデモを比べてみると、ある種の共通の歴史問題についての見方、歴史的な認識というものがあるといえる。

ネットでのヘイトスピーチ
ヘイトスピーチは最近、流行語のようになっているが、インターネットの世界では、かなり前からある言葉である。2002年の日韓ワールドカップが一つの転機だった。そのころを境に、ネット上で民族差別的な表現が表に目立つようになった。それ以前は人知れずするもの、表だってできないものだった。ヘイトスピーチをネット上で行っている人々、ブログやツイッターなどの書き込みを観察していくと、ただ単に差別的な発言だけではなく、彼らの他の問題、たとえば歴史認識問題とかについて一定の明らかな方向性が見えてくる。さらにインターネット上でのヘイトスピーチのもう一つ特徴としては、彼らは自分たちの行いが非常に道徳的に正しいと思っていることがわかる。

「認識」の問題と「道徳」の問題
ネット上でヘイトスピーチを行っている人々は、自分たちの主張をどのように道徳的に正当化しているのか、これは「道徳」の問題という。歴史認識問題をめぐる哲学研究は、歴史学の成果といった知識、その知識が社会の中でどういうふうに受け取られていくのか、受容されていくのか、あるいは受け取られずに拒否されていくのか、つまり「認識」(世界を知る/理解する働き)の問題というものを扱っている。「道徳」の問題も「認識」の問題も、伝統的に哲学が扱ってきたものだから、この二つの観点からヘイトスピーチや歴史認識問題というものを、哲学の過去の知見などを使って考えることが出来るのではないかと野川の主張である。

歴史修正主義とは
英語の「historical revisionism 」→ホロコースト否定論から来ている言葉である。
しかし「見直し」という言葉は本来別に悪い意味を持っているわけではない。事実、学問としての歴史学の中でもいろいろ見直されてきたことがたくさんあるわけである。しかし、実際には全く学問的でない、歴史学的でない手法で作られた歴史学は、偽史歴史学と言い、学者はそれを「歴史修正主義」と呼ぶ。したがって「歴史修正主義」は、一種の疑似歴史学であるといえる。

関西学院大学山中速人研究室発夏の特番「ヘイトスピーチをくり返す人々の意識と行動」

夏の特番番組案内「ヘイトスピーチをくり返す人々の意識と行動」

徳島大学樋口直人さん

ゲスト:樋口直人さん(徳島大学准教授)、

関西学院大学山中速人さん

聞き手:山中速人さん(関西学院大学教授、メディア・リテラシー)

関西学院大学吉野太郎さん、神戸コリアン教育文化センター金信鏞さん

聞き手:吉野太郎さん(関西学院大学講師、『科学・人間・社会』編集人)金信鏞さん(神戸コリアン教育文化センター)
司会:金千秋(FMYYプロデューサー)
放送日程:7月15日〜8月12日 毎週火曜日13時より5回連続。

 在日コリアンや中国人、日本に住む多くの外国籍市民たちに対する憎悪と攻撃を声高に叫ぶヘイトスピーチ。「殺せ!」「叩きだせ!」などの過激な表現が頻発。いったいどんな人々がヘイトスピーチを繰り返しているのだろう。理解し難い恐ろしい人たちなのか、常識を超えた凶暴な考えをいだいている人たちなのか。そんな疑問に答える番組です。樋口さんは、ヘイトスピーチ団体として有名な「在日特権を許さない市民の会」の有力活動家たちの多くを相手に、丁寧なインタビュー調査をおこない、かれらの活動の背景になっている考え方や行動の背景について、社会学の方法を駆使して分析研究しました。その成果は『日本型排外主義』(名古屋大学出版会)として発表され、大反響を得ました。
 樋口さんの分析によれば、排外主義運動の背後には、90年代以後に保守系論壇に頻繁に登場するようになった、国際関係の緊張にもとづく東アジア近隣諸国に対する攻撃的言論の存在があり、それらへの同調的意見がインターネットで広がっていく過程で、オリジナルの保守的な言論ですら、主張しないような攻撃的な主張に化けていった事実があるようです。
 また、これまでジャーナリズムでは、これらのヘイトスピーチ運動に参加する若者には、格差社会の拡大による社会不安や成功するマイノリティに対する反発があるといわれてきたのですが、それなりに安定した正社員層が多い活動家の実態をみる限り、そのような不安原因説は当てはまらない。むしろ、活動家たちは、それなりにしっかりとした合理性にもとづいた戦略や政治的効果を考えて行動している。しかし、理性的に戦略を立てているからといって、かれらの活動が理性的であるというわけではない。その思考の底にある、事実認識のゆがんだ歴史観や民主主義や人権を顧みない危険な思想は、病理的でですらある。つまり、病理的な人々ではなく、正常な人々の病理的な運動という問題が、ヘイトスピーチ運動を考える鍵になるとのことです。
 このような基本的な視点にたって、現在のヘイトスピーカーを縦横に分析した樋口直人さんのお話に、耳を傾けてみたいと思います。最近の日本は「かなり変!あぶない!」と思われるみなさま、必聴の番組です。