リーフグリーン かわら版

あつーい夏がやってきました(通信74号)

 暑中お見舞い申し上げます。水分、栄養、休養をしっかりとって、暑さに負けないでこの夏を乗り越えましょう。
 先日は九州を豪雨が襲い、甚大な被害をもたらしました。次々起こる自然災害に、地球の悲鳴が聞こえるような気がします。便利さばかりを追求して、開発を推し進めてきた結果、自然との調和がおろそかにされてしまっているのではないでしょうか?原子力発電もそうですが、人間が制御しきれない恐ろしいものを創り出し、自然が消化しきれない廃棄物を残してはいけないでしょう。もっと豊かに、もっと便利にという人間の欲がとんでもない物を産み出しているのではないでしょうか。ここらでちょっと立ち止まり、方向転換が必要な気がしています。
 私が子どもの頃、電気も水道もガスも無い、山の中で生活をしていました。谷へ湧水を汲みに行き、川で洗濯をし、薪で煮炊きや風呂を沸かしていました。鶏やヤギや豚などの家畜を飼い、畑で野菜を育て、モモやイチジク、ブドウなどの果樹もありました。山には木の実や山菜、キノコなど宝物がいっぱいあり、兄の後をついて野山を駆け回っていました。今から思うと、貧乏だったけど、なんと心豊かな生活だったことかと懐かしく思い出されます。縁側に父を囲んで子どもたちが並び、ホタルの飛び交うのを眺めながら戦争の体験談を聴いたこともありました。その時、戦争は決してしてはならないのだと心に沁み入りました。
 いつのころからか、私たちはこういう豊かさを忘れてしまっています。人と人の面と向かってのコミュニケーションを煩わしいと思って遠ざけた結果、孤独な人が増えています。メールやツイッターなど機械に向き合っての会話だけではなく、直接人と人、あるいは自然と触れ合うことはとても大切なことだと思います。私たちが子どもや孫に、どれだけこの豊かさを伝えていけるか、どれだけ悪い物を残さないように出来るか、真剣に考えて行動しなければいけない時期に来ているとつくづく感じる今日この頃です。

理事長 吉本加津子