リーフグリーン かわら版

思いめぐらすこと(通信76号)

赤や黄色に色付いた桜の葉や、金色に輝く銀杏の葉が散り始め、公園は錦の絨毯を敷き詰めたように変身しました。季節の移り変わりはとても速く、じきに木枯らしが吹き始めることでしょう。どうしてでしょうか、年を重ねると共に時の流れが速く感じられるようになりました。
もうこんな時間?もう1週間?もう1か月経ってしまったの?と口にすることが多くなりました。そうやって今年もあと一月余りとなってしまいました。何をするにも、若いころより頃より時間がかかるようになったからでしょうか?それはもっともですがくわえて「思いめぐらすこと」が増えてきたかもしれないとも思います。
「思いめぐらすこと」の第1位は、家族のことです。両親はとうに亡くなりましたが、兄弟姉妹とその家族が増え、私自身の子や孫もずいぶんと増えました。次に仕事に関すること。仕事を通して関わらせていただいた方々とのつながりの輪は、さらに広がっています。こうして多くの方々と交わる中で、「思いめぐらす」ことも増えてきているのです。
そうして思いを巡らせていると、知識や経験が増えてきたせいか、若い頃の自分を省みて恥ずかしく思うことが度々あります。親に対して、兄弟に対して、わが子に対して、友達に対して、出会いのあった多くの方々に対しても、なんと身勝手だったんだろうと恥ずかしくなるのです。若くても気遣いの出来る方は大勢いらっしゃいますが、私はこの歳になってようやくその思いに辿り着きました。これから先も亀の歩みの如く、ゆっくりと思いめぐらせながら成長していきたいと願っています。
                         理事長 吉本加津子