日々見直して風通しの いい暮らしをすること。
「生活工房Do!」主宰の土井けいこさん。
<トーク1>
震災時は大橋のマンション7階に住んでいたが、地震の鉄則である逃げ口の確保をしようと玄関のドアを開けたら火の手が 見えた。そこからが脱出劇だった。普段から階段を使うようにしていたので、エレベーターが止まっている中で普通に階段を使って逃げられた。海外協力隊とし て開発国での生活経験もあり、普段からいざという時のことを想定はしていた。日常の延長上というより、日常のすぐ隣に災害があるので、普段からいろんな心 積もりをしておくことが必要。
地震当日、何もしなかった自分、当時は在宅家事援助などをしていたプロだったのに、自分のことしか考えられなかった自分に後ろめたさがある。
「生活工房Do!」では、毎日を気持ちよく暮らしていくための方法を講座を通して伝えている。最近は、不用品をためない暮らし方というテーマで講座を開い た。自分の今の暮らしに必要なものはわかりやすく配置をして、そうでないものはいつでも手放して人の役にたてるようにしておく。人とのつながりは大事で、 自分で使わないものはどこかで活かすという意味でもつながれる。
<トーク2>
「震災体験をして、一瞬ですべてを失くしてしまう体験をして、気に入らないものを使っている方がもったいないと感じた。 今はコップ1個でも使って気持ちいいものを厳選して、好きなものに触れていることで日常に充実して生きている幸せを感じる」という土井さんを取材された記 事がある。ものは所詮「もの」でしかないが、もったいないという言葉でいっぱい抱え込んで手放せないでいたり、うっとうしくなってどうしていいかわからな い人がいる。地震の時、これからは毎日をちゃんと充実させて過ごしていきたいと思った。ものはあくまで手段だが、金額がどうこうではなく、日々の暮らしを 豊かにしてくれるものを持ちたいと思った。
今の仕事も、震災体験が出発点。ものはあくまで手段だが、それを取り囲む家族との関係や周りとの関係を含めての暮らしの提案をしている。
震災の時に宝塚に移ったことは後ろめたさになっているが、時間の経過と共にやらなかった宿題となって、そこを忘れないで人に伝えていく、自分もきちんと考えて生活していくという軸になっている気がする。
災 害への心構えへのアドバイスとしては、人にわかりやすい暮らし、つまり誰にでも手を貸してもらいやすい環境を作っておくこと、心を閉ざさないことが必要。 日々の暮らしでは、何気なく置いた上のものが落ちてきて怪我をしたとならないように、ちょっと考えて生活をして欲しい。、また、日々の生活で必要なものは 変わっていくので、日々見直して風通しのいい暮らしをすることが必要。
西宮のコミュニティFMでも「暮らしのヒント」という番組を12年間していて、衣食住から家族のコミュニケーション、家族のことなど毎日を気持ちよく暮らしていくためのヒ
ントを提供している。