日常的な力を つけていくということが 大切だと思います。
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5月のゲスト 関西学院大学准教授 関西学院大学災害復興制度研究所研究員 山地久美子さん
◆トーク1
震災10年、2005年に災害復興制度研究所ができました。災害復興に焦点をおいています。
私は研究員として国際連携を担当しています。最近も、チリ、中国、ハイチなどでも大きな地震がありました。昨年は、台湾、中国などの方をお招きして講演会をひらき、ネットワークをつくってきました。
災害復興とジェンダー。震災時になくなった方に高齢者の女性が多かった。年金が少なかったことが影響しているという考えもあります。だからこそ災害に備え、普段から生活を見直すという考え方が必要です。
私は、生まれは東京ですが、小学校のとき神戸に来ました。東京はよく地震が起こるので、学校には「防災ずきん」を持って行き、座布団にしていました。災害ということを常に考えていました。こっちに来ると、そんなことはなくなり、意識の違いを感じました。
震災時、北区の自宅にいました。被害も小さく、築1、2年の家にいました。当時、私は、ハワイに留学していましたが、姉が飯田美奈子というオペラ歌手で、アルカイックホールで出演するということで、日本に帰ってきていました。震災1週間後には日本を離れました。私は、震災は経験しています。また、そこにずっとは、いなかったので、客観的に見ることができる部分もあります。災害復興を研究するという上で、このことは、プラスになっていると思っています。
国際的なジェンダー比較にも今後取り組んでいます。情報発信がいかにできるかということも大切になってきます。FMわぃわぃはじめ、新聞社の方などにも入っていただき、ご意見をいただこうと思っています。社会的な状況、男性は男性で、女性は女性でそれぞれに抱えた問題もあったと思います。また、日常の問題が、浮き彫りになってくる例もあります。「事前復興」という言葉がありますが、日常的な問題に普段から備えることがいまの災害復興で大きな位置を占めています。
◆トーク2
多文化と共生社会をはぐくむワークショップ代表、NPO法人神戸まちづくり研究所の副理事長でもあります。アメリカのLAやシアトルに住んでいて、そのときに差別を受けたことがあります。その反面で、アメリカでは権利や保障も厚い。1998年に日本に帰ってきて、それを受け入れる体制がなっていないことを感じました。音楽家、都市計画家の方など8人とグループをつくって、日本人へ向け、料理教室や映画会などをしています。ブラジルの移民100周年の時には、兵庫県と共同で音楽会を開催して、ブラジルの音楽家を招きました。高齢の方が多く参加してくださって、日本のことも伝えたいという感想もあり、場を提供していくことが、大切だと感じました。
私のポリシーとして、社会活動は、こちらも、むこうも構えてしまうので研究対象としません。研究テーマは家族ですね。少し関係があるといえば、ジェンダーと災害です。社会活動を研究に還元して、研究を社会活動に還元してという感じです。
コレクティヴハウジング。個人生活も団体生活もできる。みなさん年をとってきて、いろんな問題を持っています。また、災害時のペット問題。公営住宅は、ペットと一緒に暮らせません。でも、兵庫県も神戸市もペット可の公営住宅を作りました。結局のところ、ペットを家族として認めるかどうかという問題です。
家も、仕事も、人間関係も、すべてが災害につながっています。それらの問題が大きく出るのが災害だと思います。自然災害は、災害だけれども、復興は政治的現象。一人ひとりの力も大切ですので、日常的な力をつけていくということが大切だと思います。