ブラジル教育現場視察報告: [スタッフ総括 1/2]今回の視察で得た情報

今回の視察に関するスタッフの総括を報告書より抜粋し、ご紹介します。
<実際に視察して得た新しい情報の例>


1.
教育熱心だといわれている日系一世でも、移民当初は生活に手一杯で、自分の子ども達の教育環境の整備などについて実行に移すまでには最低でも2年かかった。現実的に、一世に連れてこられて双方の教育とも中途半端になってる子どもも当時はたくさんいた。(ただし、これは地域差などもかなりある。)
2.
ひらがな、カタカナ、漢字と文字数が多くて、学年ごとに習得文字まできめられている日本語に比べて、ポルトガル語は、なんとか基礎的な文章さえ読み書きができていれば、どの学年に編入しても追い付きやすい。これは、逆に 日本にきた子どもが途中の学年に編入した場合にかなりの補習の時間がなければ、日本語の授業についていけないということの裏づけでもある。
3.
日本で、とりあえず言葉の障壁を越えて、理科や算数などの授業を理解した経験のある子どもについては、帰国後の母語(ポルトガル語)さえ何とか追い付けば、その他の教科についてはブラジルの子どもより成績もよく、新しい段階の授業内容の理解も早いし、勉強熱心である。
4.
ブラジルの4年生までの教育を受けた子どもたちは、5?8年生の4年間の授業をやり直すことのできる短期コースの制度がある。
5.
日本からの帰国子女が、一様に自分の意見をはっきり言わないという現象について、日本とブラジルの学校教育の教室現場の違いを双方が話すことで理解できた。
6.
日本では子どもの教育を考える余裕のなかった親も、ブラジルに帰国後、もっとこうしていれば良かったなど、気付くことも多いので、私達の活動について賛同し、協力を約束してくれた人も多数いる。
7.
ブラジルでは、最近になってやっと「出稼ぎ」の家族の諸問題が少し悲観的に社会問題として報道されはじめたが、教育に関してはまだまだ取りざたされていない。

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