ベトナム難民の経験の記録と継承
日本政府が1981年に難民条約を批准してから35年が経過しました。その間、日本はインドシナ難民、ビルマ難民を受け入れてきました。今年からはさらに、シリア難民を受け入れることを表明しています。
日本社会は「難民を受け入れる」という経験から何を学んだのでしょうか、あるいは何も学ばなかったのでしょうか。そして、難民として日本に移住してきた人びとは、日本社会でどのような人びとと、どのような経験をしてきたのでしょうか。
本シンポジウムでは、難民について多角的な視点で研究を行なっている研究者を招き、日本社会がベトナム難民を受け入れた経験を振り返りつつ、これから難民として移住してくる人びととの向き合い方を探ります。
日時:2017年3月11日(土曜日)
13時30分~17時30分(受付13時~) 終了後、懇親会の予定あり
会場:新長田勤労市民センター別館ピフレホール3階 会議室A
参加費:500円 当日支払い
定員:50名
発表者:
久保忠行 (大妻女子大学 比較文化学部 講師・文化人類学)
「難民受け入れが日本社会にもたらしたもの —課題と展望—」
高橋典史 (東洋大学 社会学部 准教授・社会学)
「ベトナム難民の日本定住において宗教が果たした役割」
コメンテーター:
長谷部美佳 (東京外国語大学 世界言語社会教育センター 特任講師・社会学)
<お申し込み・お問い合わせ先>
ベトナム夢KOBE
メール: vnkobe@tcc117.jp、電話:078-736-2987
裏面の申し込み事項を記載のうえ、3月3日(金)までにメールまたはFAXでお申し込みください。
※ 定員に達し、入場をお断りする場合のみ、ご連絡いたします。
※ 印刷用ちらしはこちらからダウンロードしてください。
【発表1】
久保忠行 「難民受け入れが日本社会にもたらしたもの ―課題と展望―」
<要旨>
ベトナム難民をはじめとするインドシナ難民は、多様性の種を日本社会にまいたという点で大きな意義があるのではないだろうか。よく知られているように、インドシナ難民をきっかけとしてつくられた制度や支援の仕組みもある。他方で昨今、排外主義的な言動が表面化するようにもなり、日本に限らず時代が逆行しているかのような側面もみられる。このような状況で、難民として来た人々のもっとも身近にいる人のあり方が、ますます重要性を増しているように思われる。本報告では、筆者の難民を知らない若い世代への教育経験も交えながら、日本社会で「難民を受け入れる」ことの課題と展望について報告する。
【発表2】
高橋典史「ベトナム難民の日本定住において宗教が果たした役割」
<要旨>
一般的にはそれほど注目されてこなかったものの、ベトナム難民を中心とするインドシナ難民の日本での受け入れと彼ら/彼女らの定住には、「宗教」というものが少なからず関与してきた。本報告では、初期の民間組織によるボートピープルの一時庇護や、その後の難民たちの地域社会への定住のプロセスに関わってきたカトリック教会などの宗教団体や宗教関係者たちの活動の事例を紹介したうえで、現代日本の難民受け入れの問題における、信仰に立脚した支援や共生の取り組みの意義や可能性についても検討したい。
※シンポジウム終了後、会場近辺で懇親会を予定しております。準備の都合上、懇親会の参加の有無についても、3月3日(金)までにご連絡ください。
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