新しい年が始まりました (通信77号)
今年は例年に比べ、ひときわ寒さが厳しいようです。秋に植えた水仙が、つぼみをかかえたまま、なかなか花を開いてくれません。まるであまりの寒さに、あったかい布団からなかなか抜け出せないでいる私のようです。
1月17日、阪神淡路大震災から18年が経ちました。早朝5時過ぎに、自宅からたかとり教会まで歩いていると、あの日の光景がいまだに鮮明によみがえってきます。震災から1日目だったのか2日目だったのか、時間の記憶は定かではないのですが、軒並み崩れ果てた家々と傾いたビル、黒く焼けただれて電線の垂れ下がる焦土となった街の姿だけは、はっきりと記憶に残っているのです。それだけ衝撃が大きかったのでしょうね。あれから私たちは、少しずつ立ち直って、周りの人々とつながり合い助け合いながら、前を向いて歩いてきました。当時小学生から高校生だった子供たちもみな社会人となり、孫も7人生まれました。でもこれは、家族全員が無事に生き残った私たちだから言えることで、大切な家族を亡くされた方々の中には、まだまだ傷の癒えない方も大勢いらっしゃることでしょう。ようやく阪神地域が立ち直りかけた2年前、今度は大地震が東北地方を襲い、大津波に加えて原子力施設損壊による放射能汚染という未曽有の被害をもたらしました。これは、私たちの体験をはるかに超えるもので、この惨状から立ち直るにはより多くの時間と労力を要することが安易に想像されます。それでも、また新しい年が始まりました。今年も、一人でも多くの人たちと手をつなぎ合って、共に支え合いながら前へ進んで行きましょう。ゆっくりゆっくりでもいいんです。無理をしないで、マイペースで歩き続けましょうね。
理事長 吉本 加津子
2013年2月1日 10:44 AM | カテゴリー:理事長あいさつ