コミュニティラジオ制度化へ大きく前進(パキスタン洪水ミッション総括)


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【イスラマバード10日=日比野純一】9月30日にカラチに入り、タッタ、ムルタン、ナウシャラー、、、、と、インダス川を北上しながら、最後に首都のイスラマバードに3日間滞在しました。今回のAMARC(世界コミュニティラジオ放送連盟)とパキスタン・プレス・ファウンデーション、そしてBHNテレコム支援協議会の共同ミッションは、洪水の被災地でコミュニケーションニューズの調査を行いながら、災害時に大きな役割を果たすコミュニティラジオの制度化を政府、NGO/CBO、メディアに働きかけていくというものです。パキスタンには国営放送と商業放送しかなく、商業放送が制度化され、全土で開局していったのもこの数年のことです。

各地で被災者にインタビューを行うとともに、ラジオ局、テレビ局、新聞社などのメディア関係者、災害支援を行っている地元NGO、少数者支援に取り組んでいるCBO、国際NGO、ユネスコなどの国際機関、そして中央政府/地方政府、議会、政党と、延べ40回以上のミーティングを重ね、コミュニティラジオの制度化を求めていきました。(写真右側がスティーブ・バックリーAMARC理事長=
英国)


イスラマバードでは、フィールド調査に基づいた提言を中央政府(大臣、次官クラス)にすることができ、対話を続けるなかで確かに扉が少しずつ開いていったことが実感できました。地元の人々と、イギリス、インドネシア、日本からの国際ミッションであることも大きな力になりました。

リハビリテーション期のパイロットプロジェクトとして、最低30局の復興ラジオ局を、地元NGO/CBOとともに開設していくことが次の目標です。今度は11月中旬から3週間ほど、インドネシア、ネパールでコミュニティづくりに深く関わっているAMARCのメンバーを2名、パキスタンに派遣し、被災地をまわり、地元NGO/CBO、村人とともに、コミュニティラジオを開設に向けた対話とワークショップを開催し、エネルギーを高めていきます。

こうやって災害という多くの人達が立場を越えて活動に理解しやすい環境を活用しながら、パキスタンの貧農に暮らす人々の生きるためのコミュニケーション手段を確立することが最終的な目標です。

これまで何十年と世界のあちこちで、非営利のコミュニティベースのラジオ局の制度化を勝ち取ってきたAMARCに蓄積されている論理的なロビー活動のノウハウを深く学べたことは、 FMわぃわぃにとっては最大のミッションの成果でした。

日本でも頑張らないといけません。