先週11月4日から6日まで、ムラピ山ろくのジュモヨ村役場で、村落情報システムのワークショップを集中的に行いました。村民情報をインターネットで管理し、村の日常業務だけでなく災害時の避難など非常時への対応でき、村おこしの一環として使えるウェブサイトをも含む村落情報システム構築はエフエムわいわいのインドネシアにおけるJICA草の根事業の一つの大きな柱になる活動ですが、諸事情から導入がなかなか進まずにいました。今後、12月半ばまで、このジュモヨ村とシドレジョ村の2村で集中的に村役場、住民たちとの話し合いとワークショップを行い、一気に導入を進めていく予定です。
村落情報システム導入を進めていくにあたって、村長がその重要性を理解していること、そして、村長のリーダーシップのもと、村役場の担当者、住民の担当者の理解と協力、やる気がとても重要であり、導入にあたっての障害を少しでも取り除いてスムーズに進むように環境を整えることが必要であると感じています。
今回は、村長との話し合いから始め、村長も含めた村役場の役人、住民の代表者と改めて話し合い、彼らの需要に沿ったワークショップを行うことで環境を整えていきました。たとえば、情報のアップロード方法、文章の書き方、住民からの情報をどうやってすくい上げ、村落情報システムに反映していくか、その村の実情に合ったネットワーク構築などです。また、災害などの非常時に対応するための村の防災グループやコミュニティラジオ局との連携方法の構築も欠かせません。
ちなみに、2村の村落情報システムのウェブサイトは以下の通りです。(インドネシア語のみ)
http://jumoyo-magelang.sid.web.id/index.php/first (ジュモヨ村)
http://sidorejo-klaten.sid.web.id/index.php/first (シドレジョ村)
この集中ワークショップを通じて、村落情報システムが一気に導入され、多くの人に活用されるようになることを期待しています。気がかりなのは、ムラピ山の噴火災害から5年がたち、大きな被害を受けたジュモヨ村でさえ、防災意識が薄れかけていることです。防災よりもまず経済発展という意識が大きいように見受けられます。もちろん経済発展も大切ですが、ともすれば、村落情報システムも防災よりも村の経済発展に偏って活用されるのではないかとの危惧があります。来るべき災害に備えるべく、村落情報システムの防災への活用も、しっかり進めて行けるようにサポートできればと願っています。
(岡戸香里)