ムラピ山噴火4周年メモリアルイベント ~災害時のコミュニティの大切さを伝える


去る11月5日、ムラピ山噴火4周年メモリアルイベントが行われました。4年前のこの日、大きな噴火があり、私はちょうど、ムラピ山の西側にある町に出かけていたのですが、朝なのに暗くて、灰が音もなくさらさらと降り続いていたことを、今でも鮮明に覚えています。また、線路沿いの竹にも灰が厚くつもり、それが線路のほうにしなって、通行する電車に当たり、電車の中も灰だらけになっていました。ムラピ山麓の大勢の住人は避難を余儀なくされました。
このメモリアルイベントは、FMわぃわぃの現地カウンターパート、コンバインの前代表であり、FMわぃわぃの活動の良き協力者でもあるNiekeさんによって企画されたもので、ムラピ山の防災の知恵とコミュニティのつながりの大切さをジョグジャカルタの町の人たちに伝える目的で行われました。このイベントが行われたジョグジャカルタ北部の新興住宅地では、大学に近いため、多くの学生が部屋を間借りして住んでいますが、隣近所と全く交流のない人たちが多いそうです。


イベントは、ムラピ山頂に近い3村の住民と、村にあるコミュニティラジオ局Lintas Merapi FMのガムラン(ジャワ伝統音楽オーケストラ)グループを招いて、行われました。



ムラピ山の住民たちは、ガムラン音楽演奏、ジャワ式ストーリーテリング、詩の朗読などを通じて、災害の経験、普段からのコミュニティのつながりの大切さを伝えました。私も、ムラピ山のガムラングループの生演奏で、一曲ジャワ伝統舞踊を披露させていただきました。この日、初めて合わせたのですが、一緒にパフォーマンスをするということは、心を通じ合わせることのできる一つの強力な手段だと改めて感じました。

こういうイベントを通じて、町でも、いざという時のために普段からのコミュニティのつながりの大切さを少しでも感じ、良いコミュニティづくりが広がっていけばよいなと願っています。
(岡戸香里)