こんにちは!ジョグジャカルタの岡戸香里です。
先日、ムラピ山の麓にあるジュモヨ村の村役場で、村役場の人たちを対象に、村落情報システム(Sistem Informasi Desa, 通称 SID)の研修を行いました。ジュモヨ村は、ムラピ山頂から20キロ以上離れていますが、2010年のムラピ山噴火後、土石流の大きな被害を受けた村です。
村落情報システムは、村のあらゆる情報(住民情報(老人、子供、妊婦、病人など)、職業、家畜、乗り物、建物、資産など)を集めて、コンピューターに入力し、災害時の活用はもちろんのこと、村の発展のために情報を生かしていくためのものです。
今回は、シリーズで行う予定のワークショップの第1回目です。(このワークショップはムラピ山麓の6つの村で行う予定です。) まず、ジョグジャカルタのパートナー団体、コンバインのジョヨさんが、SIDについて説明した後、この村の実情に合ったシステムを構築していくために、一緒に考えましょうということで、グループディスカッションで、どのようにSIDを村役場が立ち上げていく予定なのか、また、この村に必要とされるシステムとは何かを話し合いました。そこで出てきた意見は、村の発展のためにSIDを最大限に活用したいというものが大半でしたが、住民の資産を守りたいという意見もありました。今回出てきた意見をもとに、次回の研修を6月に行う予定です。
もちろん、村の発展も重要なのですが、災害から時間がたって、災害に関する人々の記憶が風化しつつあるのかなと、今回のワークショップを通して少し感じました。ただ、ムラピ山は、4~5年に一度は大きな噴火を起こしています。SIDが、コミュニティの防災力向上に確実につながっていくように努力していきたいです。