合い言葉は「One by One」 〜コミュニティラジオ局で技術研修〜


この4月からインドネシアのジャワ島中部のメラピ火山麓にある五つのコミュニティラジオ局の支援活動が本格的に始まりました。

いずれのコミュニティラジオ局も、メラピ火山や河川の状態を毎日毎日住民に伝えており、コミュニティの防災おいて、重要な役割を担っています。
しかし、放送機材は非常に脆弱で、古い小さな、しかも半分くらい機能が失われているミキサー、古いデスクトップパソコン1台(音声再生用)、マイク1~2本、機能が弱っている送信機、アンテナ、これでほぼすべてです。阪神・淡路大震災直後のFMヨボセヨやFMユーメン(いずれもFMわぃわぃの前身)のようです。


長いラジオ局で活動をはじめて十年、短いラジオ局で一年半と活動歴の違いはあるものの、いずれも活動を続けていく上でたくさんの問題を抱えています。例えば、機材が古い、活動資金がない、ボランティアが足りない、村の人達の認知が低い、いい番組の作り方がわからない、などなど。

まずは大きなことから小さなことまで、たくさんの抱えている問題をきちんと整理して、解決できそうなことから一つひとつ、地道に活動を積み重ねていくことが大切です。

「一度にぜんぶ解決することなんてできない。一つひとつ地道にやっていこうや!」と繰り返し繰り返し伝えていたら、「One by One」(インドネシア語でSatu demi Satu」、「Step by Step」(同じくTahap demi Tahap))がいまや活動の合い言葉になっています(笑)

いまは、ラジオ放送するための基礎的な技術トレーニングを行っています。例えば、ミキサーのどのボタンがどんな機能を持っているとか、マイクの正しい使い方とか、パソコンを使って音声を編集するとか。コミュニティラジオは技術がすべてではありませんが、技術力が上がれば放送を通してできることの幅は確実に広がります。

そして、番組を制作する力がついたら、五つのコミュニティラジオ局で防災番組のコンテストをやろうと計画しています。たぶん11月頃になると思います。お楽しみに!

(ひびのじゅんいち)