2014年2月13日夜、東ジャワのクルード山が大噴火をおこし、200キロ以上離れたジョグジャカルタでも厚く灰が積もり、8日間の非常事態宣言が出されました。ちょうど1年後の今年2月12日と13日、クルード山ろくにあるコミュニティラジオ局の人々を対象に、地元言語でのDMAM(Disaster Management Audio Material、防災ラジオ番組)ワークショップを行いました。去年9月、事前調査のために6つのコミュニティラジオ局を訪問しました(その時の記事はこちら⇒ http://www.tcc117.org/fmyy/index.php?e=2165 )が、今回のワークショップには、それよりも多くの局から、遠い人は片道3時間以上かけて、20人以上集まってくれました。そのうち半分ほどはティーンエージャーの若い人たちです。
初日はDMAMとは何かという説明から始め、ムラピ山のコミュニティラジオ局から同行してくれた二人にムラピ山のコミュニティラジオ局が制作したDMAMと制作時のエピソードを紹介してもらいました。同行した二人は、クルード山の噴火の後に当地を訪れコミュニティラジオ局の支援に携わっており、コミュニティラジオ局を運営している者同士、いろんな質問や悩み事相談が飛び出し、活発な意見交換がなされました。こうしたコミュニケーションが、地域を越えて火山地域にあるコミュニティラジオ局同士の繋がりを深めていきます。夕方から夜にかけては、それぞれDMAMを作って発表。まだまだ、荒削りの作品が多く、翌日までにそれぞれが修正することを約束して、その日は解散しました。
翌日、それぞれが修正した作品を発表。ほとんどの番組がリスナーのことを考え、とても良くなっていて驚きました。個性的な作品が多く、詩あり、寸劇あり、ストーリーテリングあり、伝統詩の形に入れ込んで朗々と歌う人ありで、とても面白かったです。このワークショップを通じて、地元の人たちの文化がふんだんに取り入れられたDMAM(防災ラジオ番組)がたくさんつくられて、放送され、防災の知識がより多くの人々の心に残るものになっていくことでしょう。
(岡戸香里)