東ジャワ州クルード山近郊のコミュニティラジオ局を訪問調査 ~ 地元言語のDMAM作成に向けて


9月23日から27日にかけて、今年2月に大噴火を起こした東ジャワ州のクルード山近郊にある、コミュニティラジオ局の調査に行きました。地元言語でのDMAM(Disaster Management Audio Material、防災ラジオ番組)作成に向けての、事前調査のためで、クディリ鼎、ブリタール鼎、マラン鼎にまたがる地域の6つのコミュニティラジオ局を訪ねましたKelud山 Kelud FM


。2月のクルード山大噴火では、200キロ以上離れたFMわぃわぃのインドネシア事務所があるジョグジャカルタでも、かなりの量の灰が降り、8日間、非常事態宣言が出されて、小学校なども休校になりました。朝起きてカーテンを開けたら、一面真っ白で、びっくりした覚えがあります。クルード山近郊でも、まだ、田んぼの中にとても大きな岩がゴロゴロと転がっており、被害の大きさがうかがえました。今回の噴火は1度のみでおさまっていますが、まだクルード山頂に大量の砂が堆積しており、雨期が始まると、12本ある川での土石流の可能性が高いです。Kelud山
Batu dari Kelus
このあたりのコミュニティラジオ局の特徴は、すべて、村役場の役人がリーダー的存在として関わっていることで、村役場にラジオ局が設置されている局も多いです。ただし、ほとんどのところは、人手不足に悩まされており、特に、クルード山の噴火後は、みんな経済を立て直すのに必死で、放送時間も減らさざるを得なかったとか。機材が壊れてしまって、十分な設備がないところもありました。それでも、ほとんどの局は、DMAM作成にとても前向きで、防災のためにコミュニティラジオ局をもっと役立てたいという熱意が感じられました。Kelud山 Sera FM
今回、一緒に調査に行った協働団体コンバインのスタッフのうち2人は、クルード山噴火後、すぐに現地に向かい、現地コミュニティラジオ局のメンバーたちと一緒に活動した仲なので、その縁もあり、彼らの助けで、とてもスムーズに調査が進みました。こういう活動において、人とのつながりというのは、とても大事なものなのだと、改めて感じました。
インタビューをした人々も、伝統的文化に造詣の深い人が多く、とても面白い土地だとも感じました。来年早々にも、このあたりでDMAMワークショップを行う予定にしています。この土地の独自の言語、文化を生かしたDMAMができ、この地に防災文化が育つことを期待しています。
(岡戸香里)