去る7月6日、ムラピ山ろくのクプハルジョ村にて、Gema Merapi FMのメンバーと災害ミュージアムのカタログ作りに向けたミーティングを行いました。
災害ミュージアムは、2010年のムラピ山大噴火で被災した住民が主体となって作られたミュージアムです。ムラピ山は、4つの県にまたがっているのですが、そのうちの一つで、このミュージアムのあるジョグジャカルタ特別州のスレマン県側は、2010年の噴火被害が大きく、多くの犠牲者と被害をだし、住民が移住を余儀なくされました。また今後、少なくとも80年ぐらいは、噴火のあるたびに、そのあたりの被害が大きいであろうと予想されています。ミュージアムは2010年の噴火時に焼けてしまった家の残りを使って作られ、住民から被災した物(バイク、家具、台所用品、楽器など)を集めて展示しています。多いときは一日500人以上の観光客が訪れるそうです。
災害ミュージアムの持ち主は、Gema Merapi FMのメンバーでもあることもあり、カタログ作りはGema Merapiの若手(高校生、大学生)が中心となって、FMわぃわぃとコンバイン(FMわぃわぃの現地パートナー団体)の協力のもと、進められています。今回は、カタログを作る目的と内容、カタログの形、だれが何を担当するのかが話し合われました。カタログは、観光客や興味のある人に読んでもらったり、購入してもらったりするだけでなく、子どもの教育のために学校に配布し、また後世に残す記録として作りたいとのこと。まず、ウェブサイトを作ったあと、販売、配布用の薄めのカタログを作成し、最終的にはミュージアムに設置、保存用の分厚いカタログを作成することになりました。内容には、ミュージアムにある展示品の説明だけでなく、それにまつわるストーリー、地元の防災に関する知恵なども盛り込む予定です。
おりしも、イスラム教の断食月の真っ最中。ジャワ島は人口の90パーセント近くがイスラム教徒といわれ、1か月の間、早朝4時ごろから夕方5時半過ぎまで、一切の飲食を断ちます。その代わり、断食の開ける午後5時半過ぎに、みんな集まって食事をする会があちこちで開かれます。イスラム教徒以外も参加します。FMわぃわぃのムラピ山での活動も午後3時ぐらいからはじめて、断食明けの食事を一緒にとることが多く、親交を深める大事な機会になっています。このミーティングでも、みんなで断食明けの食事をとり、つながりを深めました。
(岡戸香里)