近年、市民活動を行うとき、パソコンやインターネットを使う場面が増えてきました。そしてパソコンやインターネットが「動かない・繋がらない」ことが原因で、活動に影響が出て困っているという悩みも多くの場所で聞くようになりました。
私たちは多くの市民活動団体が抱えるこのような悩みを何とかしたいという思いから、市民活動を行っている人々が情報通信技術(ICT)の側面で助け合うネットワークを少しづつ育ててきました。その活動を深め力強いものにするために、私たちは市民活動団体のためのICT支援団体設立を思い立ちました。
私たちは団体の内外でまた市民活動を支える人々がICTをよりよく活用できるよう、人の育成を活動の中心に据えます。市民活動にかかる人々が、この有用な道具を適切に利用することは、それぞれの団体の活動を、そして私たちがいま住んでいる市民社会を力づけるものになると信じます。また、一方的に支援をするのではなく、お互い助け合うことを目指した人のネットワークを深めていきます。
この10年のICTの普及はめざましいものです。震災を経験したこの神戸・兵庫の地の市民活動団体にとっても、パソコン・インターネットは一部の人が使う特殊なものから、使えないと支障が生まれる重要な”道具”と変化してきました。
Web や電子メールを活用することで、団体の活動が飛躍的に広まったという例も、今やめずらしいことではありません。
その一方で、さまざまな社会問題も生まれてきています。急激に進化するパソコンのかたわらでまだ使える古いコンピュータが捨てられること、コンピュータウィルスの被害が爆発的に増加していること、インターネットを使えない人が社会的不利益を被ること、そしてネットを介したプライバシーの侵害など……。今の情報社会が持つさまざまな問題(デジタルデバイド=ITを使える人と使えない人の間にある格差、アクセシビリティの欠如=さまざまな立場の人が技術や情報にアクセスできないこと)が現れてきています。私たちの活動は、このような大きな問題を少しづつ解決していくことにも繋がっていくと信じます。
2003年6月に設立されたひょうご市民活動協議会の技術支援ワーキンググループのメンバーを母体に、また1999年以来、神戸の地でコンピュータ技術支援を行ってきたツール・ド・コミュニケーションのノウハウを引き継ぎ、そして多くの市民活動に関わりを持つ人々の期待を背景に、今ここにひょうごんテックの設立を決意します。
市民のみなさまの幅広いご参加とご支援をお願いいたします。
2004年6月5日
ひょうごんテック設立総会参加者一同