AWEPとは
アジア女性自立プロジェクトは、
アジア女性のエンパワメントに取り組む団体です。
AWEPの目指すもの
「移住」、「出稼ぎ」、「難民」…アジア女性が置かれている状況と背景
エンパワメントとは、能力をつけていくこと、自己決定の選択肢を持つこと、そのための環境を獲得していくことであると私たちは考えます。
人やモノ、情報が国境を越えて行き来するグローバル化を背景に地域間の格差が広がるにつれて、生まれた地を離れ移住する人びとが増加しています。
サービス産業や製造業の発展による労働の女性化により、アジア地域の女性の移住もまた、増加の一途をたどっています。
そのような中、女性はジェンダー差別や家父長制が存在する社会において、暴力や搾取にさらされています。
日本においても、アジア女性の労働搾取や性的暴力の実態が指摘されてきました。
また日本人の父親による養育責任の放棄によって、社会的、経済的に不安定な母子も多く存在しています。
フェアトレードという仕事づくり
アジア女性自立プロジェクトは、アジアの移住女性が自らの望む生活を送ることができるよう、1994年より活動してきました。
アジアの移住女性が出身国で経済的基盤を築くためのフェアトレードを中心とした仕事づくりを続け、当事者の個別の課題が改善されてきました。また、アジアの一国である日本に暮らす市民として、女性たちとの顔が見える関係を築き、身近な問題としてアジアの国々の状況を理解し、日本社会に対してそれを発信してきました。また阪神淡路大震災で被災した外国人女性との出会いをきっかけに生活相談や情報発信をしてきました。
しかしながら、アジア女性に対する蔑視が根底にある搾取や暴力は、いまだ根強く存在しています。
近年では、国際結婚の夫からの暴力、偽装結婚によるさまざまな搾取、技能実習生への労働搾取など、移住女性を取り巻く問題は多様でかつ複雑化しています。
アジア女性自立プロジェクトは今後、個別の問題解決に取り組むとともに、社会構造を変革していくため、女性たちと連帯、協力し社会への働きかけを強めていきます。
そのため、経済的安定、地域や国境を越えた女性の連帯とネットワークの強化、女性が主体的に行動できる社会づくりを活動の柱とします。
経済的安定に関しては、出身国でのフェアトレードによる収入創出や就業の促進を中心とします。
また、在日外国人女性への情報発信や出身国の女性グループとの連帯とネットワーク構築を進めます。
さらに日本での勉強会の開催や移住女性の出身国への訪問によって、ジェンダーや民族、国籍による差別など移住女性を取り巻く環境や社会の課題への市民の理解を深めます。
アジア女性自立プロジェクトは、アジアの女性たちが暴力や搾取を受けることなく、自らの人生に尊厳を持ち、主体的に生きることのできる社会の創造を目指します。
(設立趣旨書より)