ネパールの生産者たち

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The Producers in Nepal

Shakti Samha (シャクティ・サムハ)

Shakti Samuha Web site: https://shaktisamuha.org.np/

シャクティ・サムハ写真

生産者について

1996年、インド・ムンバイの買春地帯で保護された200名を超えるネパール女性の人身売買被害者がネパールに帰還しました。その際、女性たちが差別や偏見の目に晒され、適切な保護や支援を得られなかったことから、当事者が集まって立ち上げられた団体がシャクティ・サムハ(Shakti Samuha)です。

シャクティ・サムハは、女性の意志が尊重され、自立して生活できるよう、人身売買のサバイバー(被害にあった女性)のためのシェルターの運営、心理カウンセリング、医療ケア、法的支援、教育支援、就労支援などを行っています。

2012年、女性たちの就業が難しい状況を改善するため、アジア女性自立プロジェクトと協働して、フェアトレード事業が始まりました。2012年11月に、シャクティ・サムハの女性1名が日本で「さをり織り」の研修を受けました。彼女は、シャクティ・サムハのサバイバー女性へ技術を伝え、現在は4名が「さをり織り」に取り組んでいます。

シャクティ・サムハ写真

女性たちの変化

人身売買のサバイバ―で、シャクティ・サムハのシェルターに暮らす、ある女性は、学校へ通うことも、職業訓練も関心を持って長く続けることもできませんでした。過去のつらい経験から、人とコミュニケーションをとることに自信がなく、意欲も湧かなかったからです。そんな彼女が「さをり織り」を始めてからは、朝から夕方まで集中して織り機に向かうようになりました。持ちたがらなかったペンを取り、自分の織ったショールに付けるタグに名前を書くようになりました。色彩が美しい彼女の作品が周囲に認められるようになるにつれ、他の女性に教え、会話するようにもなってきました。「さをり織り」を通して、女性たちは少しずつ自信をつけています。

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「さをり織り」は1968年に大阪で生まれた手織りであり、年齢・性別・障がいのあるなしに関係なく、誰もが楽しめる手織りです。一人ひとりが持つ感性を尊重し、自由に好きに織るので失敗がない「さをり織り」の表現方法は、心を癒し、感性を引き出す手織りと言われています。「さをり織り」に使用する糸は、コットンの他、ウールやモヘヤ、バナナやシルクの繊維なども取り入れてデザインしています。出来上がった「さをり織り」をショールにしたり、縫製してかばんや小物などの雑貨にしています。
2017年、ワークショップがShakti Handicraft Workshop Pvt. Ltd.として独立、ビーズやフェルト製品など、生産品目も増やし世界からの注文に応じるようになりました。(写真:さをり織りのメガネ置き)

M.K.S. Craft

生産者について

カトマンズにある日本人女性とネパール人男性の夫妻が経営する事業所です。

食肉用の水牛の廃棄される骨をリサイクルして加工したストラップやボタンはグルン族、マロル族の少数民族の貧困層男性が加工して、タライで村出身の女子が磨いて仕上げをしています。
カトマンズに住むお母さんたち5人が空き時間を利用してマフラーや帽子のニット類を生産しています。女性の就労先が少ないので家計を補う重要な収入源になっています。

MKS photo

製品について

食肉用として飼育され、廃棄される水牛の骨をリサイクルし、ボタンやアクセサリーを生産しています。水牛の骨のボタンやストラップは一点ずつ手彫りされており、一つ一つに色合いや表情があります。また、ニットのバッグや帽子やマフラーは青色やからし色など繊細な色合いのものからブラウンやグレイなどソフトなものまで様々です。
いずれもMKSのオーナー夫妻が自らデザインしています。

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2015年4月に起こったネパール地震で被災した生産者の村を支援しています。また、ネパール国内のNGOの支援を受ける人身売買サバイバ―女性たちを研修、雇用したり、受刑者の製品買い上げなど社会貢献にも力を入れています。

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作り手の女性

編み物をするスクマヤさん
Sukumaya

スクマヤさんもサバイバーの一人です。かつてシャクティ・サムハのシェルターで生活していましたが、今は独立しニットづくりをしながら一人暮らしをしています。このようにMKSクラフトでは、シェルターなどを出て一人で生計を立てようとする女性たちの就労を支えています。

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