AWEPのフェアトレード

世界の開発と途上国の女性

アジアの経済格差と女性たち

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1980年代から新自由主義経済が世界を席巻する中、北の先進国と南の発展途上国の経済的格差が拡大してきました。地球資源の多くを消費するのは先進国で、多くのものを所有し快適な暮らしを維持しようとします。温暖化による深刻な自然災害を受けるのは途上国の農民であり、水や電気を自由に使えない人々です。先進国は途上国に開発のための援助をしてきましたが、高度な機械は一部の人たちしか使えません。女性たちは、昔ながらの方法でモノ作りをしてきましたが、開発経済は女性たちを街で働かせ、もっと収入の多い海外の出稼ぎへと駆り立てています。

アジア女性自立プロジェクトの始動……女性たちの協働

フィリピンには仕事がなく、外国へ働きに行く女性が就く仕事は、家事労働やエンターティナーやケアワーカーなど「再生産労働」に限られ、1980年以降日本にもエンターティナーとして若い女性たちが来ていました。問題は、女性たちが日本人男性の子どもを産むことになり帰国した後、子どもの父が母子を捨ててしまうことでした。このような母子を支援するフィリピンの団体から話を聞き、日本の私たちも何かしなければならないと1994年に結成されたのがアジア女性自立プロジェクトです。外国へ働きに行かずに子どもと一緒に仕事ができるよう、製品作りをフィリピンの女性たちに提案して、女性たちの「IGP」(収入向上プログラム)が始動していきました。

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女性たちのエンパワメントをめざして

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アジア女性自立プロジェクトが、フィリピンの女性たちの手作り製品を販売し始めたころには、「フェアトレード」という言葉はまだ一般化していませんでした。この頃、南北間の格差や、開発と女性の問題がクローズアップされ、1995年には国連の世界女性会議が北京で開催され、同時にNGOフォーラムが開かれました。フォーラムには世界中の女性たちが女性の権利について話合い、解決しようと集まっていました。

私たちも北京女性会議に参加し、フィリピン女性の製品をもって行きました。フォーラムではアジアやアフリカ、中南米の人々がそれぞれの地域の特徴を生かした製品を作って販売していました。地域の伝統を活かした女性の手作り製品の販売が女性たちの自立になり、エンパワーされるのだと改めて実感できました。日本での製品販売はバザーやイベントで販売を開始しましたが、兵庫県のコミュニティビジネス離陸応援事業に参加し、本格的にビジネスとして位置づけるところまでき、アジアの女性たちが作る製品をフェアトレードとして本格的に販売し始めました。

フェアトレードのしくみ

フェアトレードの生産者と購入者を結ぶのがフェアトレード団体です。
フェアトレード団体は、生産者とともに考え、状況を考慮しながら生産者と直接取引をします。顔が見える関係を築くことで、原材料や人件費の高騰にも柔軟に対応しながら、生産者から正当な価格で買い取り、国内のフェアトレードショップなどの販売店へ卸したり、直接販売をします。
フェアトレードにおいて重要なことは、生産者、フェアトレード団体、小売店、購入者など関係者間の対等な関係性、取引の透明性と継続性です。また、生産、取引においては対話的な関係であることが求められます。

このような関係作り、基盤作りがあるからこそ、フェアトレードの製品と街中のアジア雑貨店に並んでいる商品との違いがでてきます。フェアトレード団体を通してショップに並ぶフェアトレード製品を買うことにより、現地の小規模生産者の生活を支えることになります。また、買い手とつながることで生産者は自分の仕事に誇りを持ち、自信につながっていきます。

フェアトレードの流れ

フェアトレード
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