【活動報告】「地域に暮らす外国にルーツがある女性のための相談・情報発信事業」(2022年4月から10月)
赤い羽根 新型コロナ感染下の福祉活動応援全国キャンペーン 外国にルーツがある人々への支援活動応援助成 (第2回)の事業報告
今年も赤い羽根共同募金さまに助成をいただき、下記のとおり事業を実施することができました。感謝を申し上げます。
<事業の概要>
1)電話・面談・オンラインによる相談対応
・毎週水曜日11:00-16:00を相談時間として対応。その他の曜日でもメール受信、入電があれば対応。
・気軽に集い話ができる場として「おしゃべりのつどい」を実施し、その場で相談があれば対応。
・各相談機関(NGO神戸外国人救援ネット、ひょうごDV被害者支援連絡会等)とのネットワーク作りのため会議・研修等への参加、ネットワーキングによる情報交換。
2) 情報発信「あんしんつうしん」事業
・スタッフ2名(日本語ネイティブ1名、 タガログ語ネイティブ1名)で発信するコンテンツの企画、作成、発信業務を行った。日本語コンテンツの英訳は在宅ボランティアが担当。
・専用のメールアドレスから受信希望の登録者にやさしい日本語・英語を発信。
・フェイスブックページでやさしい日本語・英語・タガログ語コンテンツを発信。他団体が発信する有益な情報をシェア。
・インターネットラジオ番組「AWEPあんしんつうしん」を制作:月に1回、翌月分を英語・タガログ語・日本語で収録。FMわぃわぃのウェブサイト上のアーカイブを団体ウェブサイトにリンクしオンデマンドで視聴可能。
3) マサヤンタハナン(フィリピン出身者の自助団体)のエンパワメント
・組織運営の併走サポート(運営へのアドバイス)
・助成金情報などの情報提供
<事業の成果>
1)の事業について
・相談12ケース(国籍別数:フィリピン5、ベトナム2、ブラジル2、日本3(ベトナムルーツ、アメリカルーツ))
・毎週水曜日を相談日とし、電話・面談・メールで相談対応。水曜日以外でも相談があればその都度対応した。(Zoomでも相談対応可能としているが、本助成期間中には要望はなかった。)
・「おしゃべりのつどい」の開催。5月~9月の各月1回、全5回実施。国籍・人種・出身に関わらず誰でも気軽に集える場を提供し、相談があればその場で対応した。
2)の事業について
・メール配信(やさしい日本語、英語)6回、フェイスブックページへの投稿・他団体等の有益な情報をシェア(やさしい日本語、英語、タガログ語)69回、インターネット番組配信(日本語、タガログ語)4回
・情報発信事業の広報パンフレットを一部改訂し増刷(500部)、各所に配布
3)の事業について
・助成金情報の提供、申請書類作成にあたってのアドバイス
・事業運営・意思決定方法に関する相談に対応
・生活相談対応及び相談事業運営アドバイスのため、マサヤンタハナン事務所を訪問(月1回)
<課題と今後の取り組み>
1)の事業について
・オンライン(Zoom)による相談を活用してもらえるよう広報を強化する(SNSでの拡散など)。
・他の支援団体と連携して事案の解決につなげているが、相談案件に対応できる人材が限られている。既存スタッフの対応力向上のための研修、新たな支援者の育成にも取り組んでいきたい。
2)の事業について
・情報発信方法について、需要が減っているメールでの配信を継続すべきか検討が必要。同時に利用者にとってより使いやすい情報発信方法(LINEなど)を取り入れることを検討する。
・利用者(当事者)の需要の高いコンテンツを作成するために、当事者によるコンテンツの企画・作成及び発信を強化したい。当事者グループと連携し、そのための仕組みを構築する。
3)の事業について
・活動の幅が広がり、メンバーも着実に増えているが、組織としての意思決定の方法や組織内の役割分担が整備されておらず、運営において特定の個人に負担がかかっている状態にあるように見受けられる。引き続き、組織運営面でのアドバイスを継続しつつ、ボランティア等、事業を担う人材募集などの面での支援も行っていきたい。
<寄付してくださった方へのメッセージ>
ご支援ありがとうございます。私たちの団体は1994年8月に活動を開始し、1995年の阪神・淡路大震災以降、神戸周辺に暮らす外国人女性のための生活相談活動、情報提供事業を続けています。収益性のない事業のため、財源として寄付を活用させていただくことで運営が可能となっています。
2014年9月に特定非営利活動法人として新たなスタートを切り、今年は設立27年目を迎えました。「支援される側」だった外国人女性のなかには、今では支援者として活動に参画する方々も増えています。今後は、サポートの必要な女性たちの支援活動も継続しつつ、外国人女性たちが自ら情報発信・表現する機会を提供し、在住外国人コミュニティ形成・コミュニティの情報共有の促進に貢献していきたいと思います。また、この成果を社会に広く公開し、多くの市民の方々とともに誰も取り残さない社会を創っていきたいと思います。今後も引き続きご支援の程よろしくお願い申し上げます。