タイの生産者たち
Baan Tho Fan Project (バーントーファン[夢を織る家]プロジェクト)
家族が出稼ぎで離ればなれになることを防ぎ、村での農業を続ける暮らしを守る
生産者について
「バーントーファン(夢を織る家)プロジェクト」は、山岳少数民族ヤオ族の刺繍や、手織りの布を使用して製品を生産する女性の縫製グループです。
1980年代の終わりに、地域で少女たちが性産業に送り込まれることを防ぎ、教育や就業の機会を促進するために始められたプロジェクトが母体となり、1995年にタイ北部チャンライ近郊のメータム村で誕生しました。女性たちは出稼ぎに出ることなく、家族と一緒に暮らし、自分たちの農業を守っていくことを大切にしています。
身近な材料を使い、山岳少数民族の伝統文化を守りながら農閑期に丁寧に作られるフェアトレード製品は、女性たちと家族の生活を支えています。
製品について
バーントーファンの製品の刺繍は、山岳少数民族ヤオ族の女性たちが一針一針丁寧に描いています。伝統衣装に使用されるヤオ族の刺繍は、図案に書き記されることなく、親から子へ伝えられる貴重なデザインパターンです。フェアトレード製品の生産を続けることで、伝統的な技術が継承されています。
また、使用する布は、メ―スーワイ郡の女性が身近に手に入る植物で草木染めした糸を使用し、手織りで織りあげています。一つ一つ丁寧に仕上げられた素材を、バーントーファンがミシンで縫製します。
バーントーファンの製品は、たくさんの女性たちの手仕事によって作られ、使う人へのあたたかい想いが込められています。
地域への還元
フェアトレード製品の生産によって、異なる文化を持つ人々とつながり、学び合い、相互理解を深めることにつながっています。
またバーントーファンは収益の一部を地域の福祉へ還元することを目的に掲げており、2012年より「ヤオ族奨学金」プロジェクトを開始して、山岳少数民族の子どもたちの教育支援を行っています。