第54話 戦争も災害もありました 2017年7月22日放送
今昔物語の話し手のワダカンは、子ども時代、焼夷弾で焼け焦げた跡のある天井をみつめて、眠りについていました。日本では長く平和が続いていますが、西神戸の産業勃興のキッカケとなった、カネボウの工場用地決定の1894年は、日清戦争の年でもあります。1895年には台湾を日本の領土とし、1904年の日露戦争も勝利し、満州に足がかりをつけ、1910年には韓国を併合、アジアでは唯一、欧米列強と肩をならべる国力をつけてゆきます。この間、西神戸では、船舶や戦闘機や軍需用品も生産します。1945年の神戸大空襲、1995年の大震災など、産業振興の舞台には、戦争・災害もあったのです。
54話 川西航空機(本社は運河沿いにあった)「紫電改」 画・清水光久氏