第88話 須磨の庶民信仰 2018年3月17日放送
下町は庶民の信仰があり、土地の人が集まる「講(こう)」がありました。江戸時代ころからでしょうか、西須磨の5つぐらいあった「講」の中に「大峰参り」がありました。女人禁制といわれた1915mの山に登ります。今もテレビなどで放映されていますが、絶壁につるされ、2~3名の人に両足だけ持たれ、「仏さんはよくみえるか」、「嫁さんは大事にするか」などの質問を受けます。「はい、大事にします」としか答えようのない修行です。他にも、京都などで行われる「六斎念仏法要」というのが須磨寺にあって、初盆の檀家を鐘や太鼓をたたいて回るほほえましい庶民信仰が、戦前まで残っていました。
88話 須磨の六斎念仏法要(須磨寺本堂、昭和30年8月15日)
戦前までは、毎年8月9日(九日盆)に須磨寺本堂に奉納、初盆新仏の檀家を回り、8月15日、納め六斎念仏を本堂にて打上げとなる。近年は途絶えてしまった。