まちはイキイキきらめきタイム2015年11月12日木曜日
<ウリエホジュモニ うちらのポケット>
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「韓国・慶尚道に行ってきました」パク・ミョンジャ
17人のグループ、2泊三日のスケジュール。
1日目
釜山から1時間半ほどの南東部の港町浦項へ。日本の統治時代、四国から移住してきた日本人の家屋が残っている。ハングルの看板がある日本家屋の前を、韓国人アジュモニ(おばさん)が歩いているのを見ると、何やら変奇妙な感じだ。
朝鮮半島最東端・虎尾岬の海に大きな「手のオブジェ」が突き出ている。海には右手、岸には左手。世界の平和を願って作られたとの事。広い広いここの海は日の出の名所で、元旦には大勢の人で賑わうらしい。1月1日までをカウントしている大きな時計があった。
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2日目
世 界遺産慶州良洞村。朝鮮時代両班が代々住み着いた。伝統的な家屋、瓦屋根と藁葺屋根の家屋が存在している。近所のアジュモニが私たちを見てぶつぶつ言って るのを聞いてクスッと笑ってしまった。「何でこんな所に来るんや。仏国寺(有名な寺。世界遺産)でも行けばいいのに・・・」。アジュモニ、ここも世界遺産 やで、と私は心で呟いた。
通度寺という古刹は丁度大祭の時だった。紅葉が美しい落ち着いた雰囲気の道を、信者さんのユニホームというグレーの僧 衣 をきた人達が大勢行き来していた。シックなチマチョゴリできちんと正装した女性たちも沢山目にした。ある場所では大きな碑の前で白いチマチョゴリを身に着 けた女性達が、何十人も踊りを奉納している様子も見ることができた。偶然にも開山1370年大祭の厳かな時期に訪れることができたのは幸運だった。
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3日目
釜山近郊。海に突き出ている海東竜宮寺。自分の干支の像の前で拝むとご利益があるんだって。
旅の最後は、山の斜面に広がる、現在は殆ど住人がいない家々に、ペンティングしたり奇妙なオブジェがある甘川文化村へ。今は小物の販売している家や、アーティストが壁や屋根に絵を描いたりして人々を楽しませている。最近注目を浴びてきた所。
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韓国にいる間に、南北朝鮮の離散家族の対面事業が2年ぶりにあった。65年別れていた肉親たちは、北朝鮮の景勝地金剛山で3日間の逢瀬が終わると、今度いつ会えるか分からないまま、別れるのだ。今の様な形で対面が何百人の単位では、待っている何万人もの人達はいつまで待つのか。当然のことながら日本のテレビよりも詳細に報じられるのを、私は目を皿のようにして見ていた。自分の国であって自分が生きていく場で ない韓国でこのニュースに接して、何とも複雑で悲しい思いに捉われた。
朴明子記