ペルー沖地震被災地支援募金プロジェクト中間報告
全6回中、4回をお届けします。
前回までは下記リンクからどうぞ
プロジェクト中間報告[1/6]背景
プロジェクト中間報告[2/6]ICAのこれまでの活動
プロジェクト中間報告[3/6]ペルー沖被災地支援募金の使い道
震災後、これからの「炊き出し所」の位置づけ
2月下旬の調査の時点で、ICAが活動していたチンチャ・アルタ地区を含むチンチャ郡海岸部の6つの地区において810余りの炊き出し所が活動を続けていました。以来多少は減ったかもしれませんが、それでも何百という炊き出し所が被災地で今も利用されています。
そもそも炊き出し所は震災後の被災者の食を守るための緊急的なもののはずですが、これだけの数が今も続いている状況には理由があります。はじめに被災地では多くのアドベ家屋が被害を受け、住人はシェルター暮らしをしていると書きましたが、その後も状況に変化が見られないため、彼らはまだ自分のキッチンを持っていないのです。
震災後、ペルー政府は速やかに南部復興基金(FORSUR)を設立しましたが、その実際の運用は遅々として進まず、特に個人の被災者に対する主な救済措置である住宅復興のための補助金の配布が始まったのも今年に入ってからです(現在までに12,600軒)。その金額は第一回の配布が6,000ソルと、当初言われていた10,000ドルには程遠いものでした。おまけに3%と普通よりは率が低いのですが消費税も取られるということで、これではなんとか小さな部屋が一つ建てられるレベルです。補助金を受け取るのにも土地証明などの書類提出をはじめとする煩雑な手続きが必要なうえ、申請準備にお金もかかり貧困層には利用が難しい支援です。今後も同じような配布ペースが続くと思われます。
このような状況もあり、炊き出し所に対する利用者のニーズというものはしばらく続くと思われます。しかし、炊き出し所に対する支援というものは、その世界食糧計画(WFP)とペルー国家食糧支援プログラム(PRONAA)という大きなソースによるものが5月の末に終了する予定です。その後は利用者が自分たちでマネージメントを続けていかなければなりません。