ムラピ山麓でジャワ大衆伝統芸能を通したコミュニティ防災活動 ~本番編


4月25日、ムラピ山麓シドレジョ村でのジャワの大衆伝統芸能を通したコミュニティ防災活動の公演、村の皆さんの素晴らしい協働作業で無事に終わりました。会場は、村役場の広場に、舞台と屋根を設置して行いました。前日から、住民と地元のコミュニティラジオ局リンタスムラピFMのスタッフ主導で舞台と屋根の設置が始まりました。何もないところから、みんなの協力で、シンプルだけれど素晴らしい舞台が出来上がっていくのを見るのは壮観でした。
屋根設営


連日、夕方から夜にかけて大雨が続いていたので天気が心配されましたが、雨除けの祈祷をお願いしたおかげか、当日は、近隣地域では雨が降っていたにもかかわらず、シドレジョ村で雨は降らず、雨除けの効き目にびっくりしました。ただし、たまに突風が吹き、この公演用に設置したトタンの屋根が飛びそうになったり、マイクに風があたって、ゴーゴーと音を立てたりはしていました。でも、それも、火山噴火という雰囲気を出すのには、ちょうどよかったのかもしれません。
900人ほどの村人と政府防災関係者などの招待客がつめか、会場に入りきらず、大勢の人が、外に設置されたスクリーン映像を、道路に立ったり座ったりしてみていました。子供からお年寄りまでいろんな年齢層の人が見に来てくれました。観客は、本当に楽しんでくれているようで、とてもうれしかったです。クトプラッという大衆演劇は、地元の人たちが出演者なので大受けで、観客は時には真剣に見入り、時には笑い転げながら見ていました。これも地元の人によるジャティランは、踊りと歌ですが、メッセージ性が強く、迫力がありました。それぞれ、防災に関して伝えたいメッセージがたくさんちりばめられていました。
Kukilo Yakso

Kethoprak

Prajuritan

熱心に見る子供たち

ガムラン

ちょっとしたアイディアで始まったこの企画が、みんなの協力で、こんなに大きなイベントになり、こんなに多くの人に喜んでもらえるとは予想していなかったので、そのプロセスをはじめから見てきた私にとってはこの公演は非常に感動的でした。防災のメッセージに関してどの程度伝わったのかなどは、今後、リンタスムラピFMやコンバインのスタッフと聞き取りやアンケートを行いたいと思いますが、芸術というのはそれだけものではなく、思いもよらない影響や効果があったりするので、その辺りも聞き取れればなと思います。これまで聞いた限りでは、防災の知識をディスカッションやワークショップを通してではなく、このように地元芸能を通して伝えていくことは、子どもからお年寄りまで、みんなにとって分かりやすく、楽しみながらできるので、とても素晴らしいとの評価をたくさんの方からいただきました。地元の人たちの間で今後も自発的にこのような活動を行っていきたいとの声も多く聞き、うれしい限りです。
以下、JICA関西のホームページとじゃかるた新聞に掲載された記事のリンクを貼り付けます。
JICA関西 http://www.jica.go.jp/kansai/topics/2015/1501_02.html
じゃかるた新聞 https://www.jakartashimbun.com/free/detail/24610.html
(岡戸香里)