7月12日、第2金曜日のまちはイキイキきらめきタイム「技術のつくだ煮」のゲストは、日本人の主食「お米」のお話です。
大学卒業から現在まで、50年近くお米の小売りを行ってきたが、戦前から戦後にかけて日本のコメは不足していた。お米が行きわたってきたのが万博の開催された1970年頃である。以前は国が農家から全量米を買い取り、米穀店は政府から購入して販売していた。1970年頃に自主流通米が出始め政府管理米がなくなった。
米穀店では全国から仕入れが出来るが、実際には多くて10種類ほどの米を選び販売している。地域による品質の違いは、関西のコメは硬め、関東のコメは柔らかめになっている。炊飯器は柔らかいお米が焚きやすいようになっている。硬めのお米は特に巻きずしなどにはよくあう。無洗米は精米の最終段階で少し残るヌカを除去するのに、湿気を与えた粘土のようなものを使用するため、水分が少し多く、時間が経つと品質の劣化がある。
小学生に対しお米の良さを知ってもらうため、お米マイスターによる出前授業をしている。刈り取った稲を学校に持ち込んだ脱穀機で脱穀し、精米機で精米し、ご飯を炊いておにぎりを作り、お米の美味しさを味わってもらっている。朝、ご飯を食べると、良く噛むことにより唾液中のアミラーゼと澱粉が化合して、エネルギーの基になるブドウ糖に変わり、頭がすっきりし勉学に励めるといった内容の授業をし、授業が終わると「ジュニアお米マイスター」の認定証を渡している。
現状の日本のお米は、高齢化などの大きな問題を抱えている。今後の活性化策としては、世界で一番安全、安心でき、美味しいのは日本のお米であるが、世界では日本のお米は少数派である。和食が世界的に普及しつつある現状から、日本米をPRし、輸出を拡大することが極めて重要である。
世良田さんは今年4月29日に黄綬褒章を受賞された。