毎月第2金曜日「まちはイキイキきらめきタイム」の時間は、12時30分からは「技術のつくだ煮」は、東北訪問の一部報告。


まちはイキイキきらめきタイム 第2金曜日の技術のつくだ煮は、9月2日~5日まで東北3県を訪問した概要を報告しました。
訪問の目的は、震災後2年半が経過し、復興の状況、現状の課題と今後の見通しなどについて、地元で活動されている方にお話を伺い、その結果を放送を通じ、神戸のみなさんにお伝えすることです。訪問先のうち、今回の放送ではお二人を紹介しました。

小川旅館ご夫妻

岩手県大槌町で小川旅館を経営されている小川京子さん(写真左)は、津波と火災で幕末創業の旅館を失い、昨年12月3日に仮設の旅館を再開された。
小川京子さんは震災発生時は、お母さんと盛岡におられたので助かったが、日頃から大きな津波は来ないと思っていたので、逃げることはしないので命はなかったと思うと話された。
津波で建物がすべてなくなり海が近かったことをあらためて実感されたそうです。そして堤防の高さについては高ければ高い程安心すると話されました。
今は仮設の旅館であるが、将来は是非元の場所で再開したいと考えておられるが、仮設旅館に対しグループ補助の支援を受けているので、戻る場合は全て自己資金で賄う必要があり、資金繰りが大変で寝る間も惜しんで働いておられます。
睡眠時間は2時間程度という超多忙な日々の生活にも関わらず、インタビューをお願いした所、今の気持ちを率直にお話していただけたことを感謝しています。

上山八幡神宮禰宜工藤真弓さん

南三陸町の上山八幡宮の禰宜 工藤真弓さんは、自宅を津波で失われた。
神社は10年前に継いだもので、押し寄せる津波は神社から見ていたそうです。津波の高さは10数メートルで、神社の階段上まで到達し、最高到達点に波来の地という石碑が建てられている。
工藤さんは震災後、まちづくりの活動に積極的に参加されている。
活動の1つは「南三陸椿ものがたり復興」で、復興事業に参画できない子供やお年寄りと一緒に、南三陸に自生している椿を植樹し、山への避難路にしようというもので、子供は種を拾い、お年寄りは苗を育てることにより生活に楽しみが生まれるという考えで取り組んでおられます。
もう一つの取り組みは、まちづくりを話し合う「かもめの虹色会議」を毎月2回開催し、まちづくり協議会公園部会開催前に、住民の要望を会議に反映させるための事前学習をされています。このような活動の結果、堤防の位置を、50年前のチリ地震で作った堤防が、今回の津波で海に戻ったので、セットバックし、海を海の戻す提案をされました。
町の歴史、文化を知り、行政に受け入れられる提案を住民と一緒に考える取り組みは大変素晴らしいと思いました。
「住民は待っているのではなく、住民が自ら考える力を蓄え、伝えていくように変えていく必要がある。2年半も経ったので被災者ではない、被災地ではないという意識を持って復興していきたい。」という、力強い工藤さんの発言に感動しました。

紹介出来なかった訪問先を含め、取材した内容は9月28日(土)16時~16時55分放送の「ゆうかりに乾杯」において、音声も交えてお届けします。