スペイン語番組「Salsa Latina」の生放送中・・・。
スペイン語で被災地の状況を話す女性の声が聴こえます。
「10月に入ってだいぶ気温が下がってきました。これから毛布、冬服、ストーブが必要となってくるけれど、入手できる見込みは今のところないの—。」
東日本大震災で被災し、宮城県石巻市の仮設住宅でくらすペルー人、アミラ・レンヒフォさんと電話中継をしている光景です。
「Salsa Latina」パーソナリティのロクサナさんは、南米系の友人からこんな声をよく聴くそうです。
「東北に住んでいる南米出身の人たちに何か支援をしたいのだけれど、東北には知り合いもいないから現地の同胞の間で何が必要とされているのかわからない。」
現地の状況を伝えるだけでなく、被災地の南米系住民が生活する上で足りない物や困っている事をラジオを聴いている仲間たちに伝えるため、ロクサナさんはアミラさんと電話中継で結ぶコーナーを始めました。
震災のつらい体験を思い出すあまり、第1回目の中継では感情を抑えきれず泣きだしてしまったほど精神的に疲れてしまっていたアミラさんでしたが、4ヵ月経った今ではとても明るい声になったそうです。
「ひょうごラテンコミュニティ」代表でもあるロクサナさんは、このアミラさんの変化について、こう分析しています。
「ラジオ放送を通じて思いや気持ちをパーソナリティとスペイン語で交感することが大きな癒しになっているし、ラジオを聴いている仲間たちに自分のことを伝えようとする行為が、気持ちの整理にもつながっていますね。」
週に1回の小さなコーナーですが、多言語コミュニティ放送の可能性を感じさせるものです。ぜひ聴いてみてください。