関西学院大学総合政策学部山中速人研究室4年卒業制作 第5回


山中研究室卒業制作総合政策学部メディア情報学科 石田翔大
「地元密着フェスティバルが活性化させるもの」

始まりは、私が普段暮らしている伊丹市で最も地元地域を盛り上げている人は誰だろうという疑問から始まった。そして、それにあたる人物に話を聞き、どのような段階を踏んで実行に移し、地域を動かす側として何を大切にするべきかを聞きたいと思ったのである。伊丹市では「住みやすい街伊丹」や「健康の街伊丹」などを掲げた政策をしているが、もっと形として何かを展開している人に話を聞こうと思い、調べたのである。
なぜかというと、策や計画を口で言うだけではなく、実際に行動している人こそが、伊丹市を盛り上げ、活性化させていると考えたからである。
その結果、毎年大規模なフェスティバルを開催し、提供するだけではなく市民や多くのクリエイター(地元ショップなども含む)などがパフォーマンスを展開している「ITAMI GREENJAM」の代表である、大原智さんにインタビューをすることを決めた。

全体を通しての狙いはそのITAMI GREENJAMは伊丹市にどのような影響を与え、さらに当フェスティバルのメインである、音楽やアートにはどのような力が宿っているのかということを知ること。そして、この番組を聞いた一人ひとりが、自分は一人のクリエイターであるという意識を持ち、活動の視野を広げると共に、大原さんの行動力の中心にあるスピリットを知ることが目的である。

取材対象はITAMI GREENJAMの代表であり、商店街のシャッター地であった場所を事務所かつカフェやクリエイターの集まり場としたGREENJAM BUILDINGの設立者である大原智(おおはら さとる)さんである。
まず、ITAMI GREENJAMとは毎年夏に行われる、伊丹市にある昆陽池公園で行われる関西最大級の無料音楽フェスティバルである。そこでは、市民がボランティアスタッフとして貢献しており、音楽アーティストの無料ライブであったり、クリエイターやイラストレーターによるアート展示、周辺地域にある飲食店又は服飾系の店が出店している、多文化そして芸術的なフェスティバルになっている。さらに、市民がパフォーマンスをしあう大会的なものも設けており、フェスティバルを開催するだけでなく、市民をも巻き込んで展開している。
大原さんは絵を描く人や音楽を奏でる人たちがクリエイターなのではなく、一人ひとり特別な何かを秘めていてると考えており、人全員が何かのクリエイターだと語っている。すなわち、先ほどから述べているクリエイターとは芸術家のことではなく、主婦や学生、社会人全員のことなのである。そして、その人たちが、昆陽池公園をデザインし、クリエイトした結果、ITAMI GREENJAMが完成するのである。
そのように大規模なイベントを展開している大原さんとは、まずこちらから連絡したが、事務所にいた山川さんという方が電話に出てくださり、本人に趣旨を伝え、後日連絡すると伝えられた。そして、一週間ほど経過し、大原さんから電話をしてくださり、快くOKを出してくださったのである。そしてメッセージにて日にちを決めていくことになったのだが、大原さんは様々な音楽フェスティバルや海外イベントに招待されたりで多忙なため、日にちがなかなか決まらなかったが、11月15日にインタビューをさせてもらえることになった。合流場所は大原さんが設立したGREENJAM BUILDINGの中にあるMOGURA CAFÉになった。そして、当日になり大原さんに直接会った最初の印象は人当たりの良い、さわやかな人だと感じた。大原さんは作業をしており、そのままMOGURA CAFÉで取材をすることになったため、BGMが入り込んでしまったのが後述する反省点の一つである。
取材は雑談形式で肩の力を抜いて、大原さんの良さが出たと考える。そして、取材後もその感覚で雑談をさせてもらって思ったことは、インタビュー中と何もぶれていないということである。なので、本来の大原さんの声を録音できたと考える。
全体を通して、思ったことは大原さんが開催しているイベントに参加している各クリエイターも非常に凄い人だが、開催をしている大原さん自身の考え方がアーティストであり、プロフェッショナルだということである。