「インドネシア防災活動レポート」カテゴリーアーカイブ

一人ひとりが被災経験を語り継ぐ 〜メラピ山のコミュニティラジオ局でワークショップ〜

ジャワ島メラピ火山の麓に暮らす村人達が、コミュニティラジオ局を通してそれぞれの被災経験を語り継いでいく活動が始まりました。
メラピ山は一定周期で噴火を繰り返し、この十年では2006年と2010年に大噴火が起こり、数百人規模の犠牲者が出ました。メラピ山麓の住民にとっては、火山噴火に対する防災の力をあげていくことは不可欠なことです。防災の知識を専門家から得ることはもちろんですが、村人同士の災害経験から学べることはたくさんあります。噴火時に一人ひとりの村人が「できたこと」「できなかったこと」を改めて振り返ってみて、そこから教訓を掘り起こすことができます。そして、その一人ひとりの物語りを共有し、次の噴火に生かしていこうというのが、被災経験を語る継ぐ活動の目的です。

7月29と30日にケプハルジョ村、8月1日と2日にシドレジョ村で、それぞれ二日間のワークショップを開きました。初めての試みのため、話すことに慣れている村のコミュニティラジオ局で活動している住民達が今回は参加しました。

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防災教育実施へ着々と準備~ドゥクン村・タルン村での防災活動の近況~

皆さん、こんにちは。インドネシアから近藤です。日本はもう真夏の暑さがやってきているようですね!インドネシアは最近涼しいので過ごしやすいです。

さて、今日はコミュニティ防災活動の近況について報告です。今は2つの村(ドゥクン村・タルン村)で活動を進めています。ドゥクン村では小学校の先生たちと防災教育実施に向けて、タルン村では女性防災チームと防災教育実施を目標に活動を進めています。

どちらの村でもまずは防災や災害に対する正しい知識を学ぶために、「防災とは何か?災害とは何か?」という講義からスタートし、身近な災害について種類や対策を話合ったりしました。また、災害のしくみや防災を楽しく学べるように、火山噴火実験や簡単なカードゲームのデモンストレーションも行いました。


ドゥクン村小学校の先生たち

現段階では、タルン村にて一足先に、防災カードゲーム(日本では“防災ダック”という名で知られています)のオリジナルバージョン作成に向けてアイデアを考えたり、今後どうやってカードを作っていくのか話し合っているところです。ドゥクン村小学校でも同じ内容を今後行う予定です。


タルン村にて防災カードゲーム案の発表

ドゥクン村・タルン村ともに、参加者のみなさんのモチベーションは活動初期に比べずいぶん高まってきています。ドゥクン村の小学校の先生たちからは、「もう少し実践的な内容を行いたい」という発言があったり、タルン村では「子どもたちのトラウマをなくすためにはどういう教え方をすればいいのか」と質問が出たり、より具体的な活動をしていきたいのだなと感じます。


タルン村にて話し合いの様子

来月中旬からは、ドゥクン村・タルン村以外の3つの村でもコミュニティ防災活動を開始する予定です。それぞれの村に応じた活動を、皆で作り上げれるよう頑張ります!

コミュニティラジオ局の受信状況改善へ -専門家がメンテンスとアドバイス-

災害時にコミュニティラジオが伝える情報が、被災地の人々が災害を生き抜いていく上で非常に重要なことは、インドネシアでも日本でも変わりません。
このメラピ山麓のコミュニティラジオ局は、Jalin Merapi(メラピ山情報ネットワーク)というネットワーク組織を作って、2006年、2010年の火山噴火時に互いに協力し合いながら災害情報の収集および提供にあたりました。

このメラピ山麓にあるコミュニティラジオ局をより力強くしていくことは、私達の活動の大きなの目的の一つです。

4月、5月にそれぞれのラジオ局で問題分析を行い、共通する課題がいくつか見えてきました。その一つが、村の中での電波の受信状況があまり良くないことです。例えば、ラジオ局の送信アンテナに雷が落ちてから村の中で聴きにくくなってしまったとか、送信機がどうも不調気味とか、理由はそれぞれですが、災害情報や防災情報をより多くの村人がラジオから受け取るためには、その問題を解決することがとても重要です。

そこで、7月はラジオ技術に詳しい専門家と一緒に村のコミュニティラジオ局を一局ずつ訪れて、問題解決にトライしています。

どんな内容なのか、、、

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イスラム教の断食~ラマダン期間中のインドネシアより~

皆さん、こんにちは。ジョグジャカルタから近藤です。

7月10日からインドネシアでは、ラマダンが始まりました。ラマダンとはイスラム教の暦で第9月のことで、イスラム教徒の義務として、その期間中に断食を行うそうです。この1か月は、日の出から日の入りまで飲食をせず、日没後に食事するという生活スタイルになります。異教徒・旅行者・妊婦・乳児・重度の病気を患っている患者等、一部は断食をする必要を強いられない人たちもいます。お祈りの回数も普段は1日5回ですが、この期間は5回に加えて夜も特別なお祈りの時間があるのだとか。

また、ラマダン中は、就業時間が早まったり、営業時間が短くなる店も多いように思います。仕事は休みにはならないので省エネモードで働いているという感じです。イスラム教徒は生まれながらにラマダンを毎年迎えて過ごしているので、体が慣れているでしょうが、無理しない程度に私も断食に挑戦しています。お昼時になるとさすがにいつもお腹が空くのですが、少しは慣れてきたように思います。

これも一つの貴重な経験だなぁと実感しています。

カウンターパート・プログラムマネージャーにインタビュー!-7月3日(水)23時から放送の「Selamat malam dari Indonesia~インドネシアからこんばんは~」

皆さん、こんにちは。

7月3日(水)23時から23時30分放送の「Selamat malam dari Indonesia~インドネシアからこんばんは~」は、私たちと活動を共にするインドネシアのカウンターパート「COMBINE Resource Institution」のマートさんをゲストにお招きしました。マートさんは、COMBINEの災害プログラムのマネージャーで、私たちと共にのJICA草の根事業も担当しています。

今回の収録も、ジョグジャカルタにあるカウンターパート事務所にて行いました。インドネシア語・英語・日本語の3か国語放送をお楽しみ下さい!

番組の放送は、7月3日(水)23時から23時30分、再放送は7月中の毎週水曜日の23時から23時30分にお届けします。

Gema Merapi FMにて楽しいジングル作成研修♪~コミュニティラジオ局での活動~

ジョグジャカルタからこんにちは。近藤です。
最近乾季らしい天気が続いています。日中は日差しがきつく、暑いです。

さて、今回はコミュニティラジオ局との研修内容についてご紹介しようと思います!
私たちが支援している5つのコミュニティラジオ局で、ラジオ局のメンバーと共にこれまでラジオ局の問題分析を行ってきました。その問題分析の結果を元に、今研修を進めています。技術支援の一つとして番組制作の技術や知識をさらに高めてもらえるよう、まずはジングル(ラジオ番組の節目に入る短い音楽)を作成する研修を各コミュニティラジオ局で行っています。

先週、Gema Merapi FMというラジオ局でもこの研修を行ったので、その様子をご報告します。

まず、久々に訪問して感激したのが、スタジオのレイアウト変更を行ってくれていたこと!以前はパーソナリティー1人だけの席しかなかったのですが、椅子を二つ置いてテーブルの中央にマイクを置き、対面式に番組を収録することが出来るようになっていました!!前回の訪問で、日本や他の国のコミュニティラジオ局が、どうやって参加型の番組を収録するかレイアウトを工夫していると参考までに紹介したので、それをさっそく取り入れていただけました。

Before

After

この日参加したGema Merapi FMの若いスタッフのみなさんに、まずは音声編集ソフトウェアの使い方を指導しました。音量調節、音の繋ぎ方、曲の挿入方法等、基本的な編集方法はすぐ理解してもらえました。そして、それぞれのスタッフがペアになって、音声を録音し、自分たちが選曲した音楽を挿入しながらオリジナルのジングルを作成しました♪

他のコミュニティラジオ局同様、皆さん楽しそうに音声収録や編集を行うので、そういった姿を見ているとこちらも嬉しくなります。ラジオ局に置いてあったギターを持ってきて、BGMもこれで入れようかな・・・とギターをつま弾くスタッフもいて、やる気満々だなと思いました。

そして次回の研修までに最低10個のジングルを作成してね!とお願いすると、「10個なんか今日中にできるよ!」と自信満々に言う姿が微笑ましいです。そんな彼らのラジオ局スタッフとしての作成意欲が伝わってきて、次の訪問がとても楽しみです!