たきび115号(2009/1/17)

昨年12月23日。「NPOの広報活動と著作権」という、NPO活動の現場で、著作権を守りつつネット上のさまざまなコンテンツを活用する方法や、自ら作った作品等をより自由な形で公開する方法についての、ミニシンポジウムを開催した。昨年6月、世話人が運営を行い、世話人・ボランティアが自発的に活動を行うグループへと転身した後、初めての外部向けのイベントであった。大盛況のうちに終わり、その発表資料もまたWebで公開・活用を進めている。

昨年5月末、ひょうごんテックは事業部門や雇用を持つことをやめるという選択を行った。2004年6月、事業を行う市民団体として発足し、ツール・ド・コミュニケーションのIT支援部門のさまざまな資産を引き継いでから、また3年にわたる木口ひょうご地域振興財団から助成をいただいてから、4年後である。事業を終了せざるを得なくなった背景説明や、私たちが支援を続けられなくなった諸団体・会員のみなさまへのお詫びとして、「ひょうごんテックのこれまでと今後について」という文書を、この間代表であった私の名前でWebに公開している。

一方、世話人制という「ゆるい」運営を始めたことで、新たな人の参加と広がりを得た。2007年度に取り組んだ、自由に使えるソフト、オープンソースソフトをNPOが活用するための実証実験を通じて得られたつながりから、新たに世話人やボランティアとなってくださった人がいる。また、団体のなかでIT担当者である人、みずから「IT難民」と呼びつつその貴重な視点を生かす人が、新たに世話人に加わった。それまでの事務局の3人も世話人やボランティアとして関わり続けている。思えば、ひょうごんテックの設立母体となったHYOGON技術支援ワーキンググループ(WG)では、手弁当で人が集まり、活発な議論を行っていた。WG発足の2003年6月の初心に回帰したといえるかもしれない。

昨年は新生ひょうごんテックの助走期間でもあった。時を重ねて、特にグループ発足当時にさまざまな手助けをいただいた、上記のツール・ド・コミュニケーションが5月に発展解消・解散したことも、時代の流れとして深く記憶に残るものである。ひょうごんテックは、今年も、有用なIT情報の収集・分析・発信からIT技術ネットワークづくり・交流の場の提供に向けて、じっくりと活動を続けていく。興味をもたれた方、ぜひご連絡ください。

吉野太郎(ひょうごんテック世話人)