たきび119号(2013/1/17)

 神戸の震災後18年目の1月17日がやってきた。3月には東日本大震災の2年目がやってくる。そして、ひょうごんテックを設立してから9年目が近づこうとしている。昨年は、東日本大震災・福島原発事故後にかかわる活動から、少しずつ日常に軸足を置いた活動に切り替わっていった年だった。テックカフェは3回開催することができた。

 1つ目は4月に開催した。東日本大震災後のおよそ一年間取り組んできた「災害時の情報共有システムSAHANA(サハナ)」についてだ。時間が過ぎると、「あのときこうしておけば」という反省も生まれてくる。

 2つ目は、「アンドロイド・タブレットを使ってみよう」というもので、7月に開催した。アンドロイドタブレットにはオープンソースのOS(基本ソフト)が使われている。タブレットに慣れた人から初心者の方まで多様な人の参加を得た。SAHANAが岩手県の陸前高田市で用いられた背景の一つも、タブレットを利用した入力しやすい環境の整備だった。岩手県災害対策本部の担当者が「ATMのように楽に使えるものを」ということを何度も念を押したと聞く。

 最後は11月に行ったLibreOfficeについての講座だ。OpenOffice.orgから機能と進化を引き継ぎ、精力的に開発が進められているオープンソースのオフィスソフトだ。

 テックカフェもこれで通算17回。まだまだ被災地の状況が厳しいことを知りつつ、同時にNPOがITのことで困っていることも聞いている。今こそ、初心に返って活動を継続していきたい。

ヨシノタロウ