11月20日から神戸のシネリーブルで、全国に先駆けて上映開始される『その街のこども 劇場版』のインタビューにNHK大阪に行ってきました。その模様を本日の「KOBEながたスクランブル」13時からのゲストコーナーで放送します。
この作品は、阪神・淡路大震災 15年特別企画として2010年(今年)1月17日にNHKで放送されたもので、あまりの反響の大きさにNHKとしては初めて、テレビドラマを劇場版にリメイク。それを全国の劇場で上映されるということになりました。
脚本は渡辺あやさん。ご自身は甲南女子大学の出身なので、もちろん阪神淡路大震災の激震地は生活圏でしたが、その当時は結婚して夫の赴任地で1995年1月17日を迎えたという経験をお持ちです。
渡辺さんご自身はその場にはいなかったけれど、神戸は自分の生きた街。
また震災当時、家族がその地に居たという事実。
この映画の渡辺さん自身の「いなかった」「しかしその場にいないからこそ受けた心の思い」それが、色濃く出ているように私には感じられました。
井上剛さんは、NHKのディレクターとしてこの映画の監督として当たられました。
彼は九州出身で、当時は東京のNHKを職場としていたという経験をお持ちです。
メディア、報道にいるものの感覚としては、「神戸そして関西のメディアにいる人は大変だな」という感覚をもち、しかし自分は東京で日常としてのテレビドラマを撮っていたという事を鮮明に記憶されています。
そして震災からほどなく神戸から転勤したきた同僚の歓迎会で、自分とその同僚の間にある空気感を心に抱き続けてこられました。
そしてNHK大阪に転勤、この「ドラマ作り」がNHK大阪プロデューサの京田さんと脚本の渡辺さんと井上さんのその思いを繋ぎながら始まったのです。
神戸では、2010年11月20日 シネ・リーブル神戸で上映開始。同日シネ・リーブル梅田でも上映が開始され、12月4日 京都シネマ、ほか関西先行ロードショーという通常では考えにくい上映の流れです。
全国展開は、2011年1月15日 東京都写真美術館ホール、池袋シネマ・ロサで始まりそこから、全国ロードショーとなります。
1月17日を過ぎてから『その街のこども』は、神戸の記憶を日本中の人々に伝えて歩くのです。
********NHKサイトから*****
NHK ドラマ 初の全国公開
阪神・淡路大震災からちょうど15年目にあたる2010年1月17日、NHKにて放送されたドラマ「その街のこども」は、実際に震災を体験している森山未來と佐藤江梨子の切なくリアルな演技に加え、心の傷を抱えたまま生きる若者たちを優しい眼差しで描いた渡辺あや(『ジョゼと虎と魚たち』)の脚本が大きな話題を呼び、放送後、各方面から感動と絶賛の声が多数寄せられました。その後本作は第36回放送文化基金・テレビドラマ部門本賞を受賞。反響は拡がり続け、『その街のこども 劇場版』として、NHKの制作したドラマとしては初めての劇場公開が決定。放送時にカットしたあらたな映像を加え、再編集バージョンでの上映が実現しました。脚本:渡辺あや・監督:井上剛・音楽:大友良英・テーマ曲:阿部芙蓉美