関西学院大学山中速人研究室発夏の特番「ヘイトスピーチをくり返す人々の意識と行動」


夏の特番番組案内「ヘイトスピーチをくり返す人々の意識と行動」

徳島大学樋口直人さん

ゲスト:樋口直人さん(徳島大学准教授)、

関西学院大学山中速人さん

聞き手:山中速人さん(関西学院大学教授、メディア・リテラシー)

関西学院大学吉野太郎さん、神戸コリアン教育文化センター金信鏞さん

聞き手:吉野太郎さん(関西学院大学講師、『科学・人間・社会』編集人)金信鏞さん(神戸コリアン教育文化センター)
司会:金千秋(FMYYプロデューサー)
放送日程:7月15日〜8月12日 毎週火曜日13時より5回連続。

 在日コリアンや中国人、日本に住む多くの外国籍市民たちに対する憎悪と攻撃を声高に叫ぶヘイトスピーチ。「殺せ!」「叩きだせ!」などの過激な表現が頻発。いったいどんな人々がヘイトスピーチを繰り返しているのだろう。理解し難い恐ろしい人たちなのか、常識を超えた凶暴な考えをいだいている人たちなのか。そんな疑問に答える番組です。樋口さんは、ヘイトスピーチ団体として有名な「在日特権を許さない市民の会」の有力活動家たちの多くを相手に、丁寧なインタビュー調査をおこない、かれらの活動の背景になっている考え方や行動の背景について、社会学の方法を駆使して分析研究しました。その成果は『日本型排外主義』(名古屋大学出版会)として発表され、大反響を得ました。
 樋口さんの分析によれば、排外主義運動の背後には、90年代以後に保守系論壇に頻繁に登場するようになった、国際関係の緊張にもとづく東アジア近隣諸国に対する攻撃的言論の存在があり、それらへの同調的意見がインターネットで広がっていく過程で、オリジナルの保守的な言論ですら、主張しないような攻撃的な主張に化けていった事実があるようです。
 また、これまでジャーナリズムでは、これらのヘイトスピーチ運動に参加する若者には、格差社会の拡大による社会不安や成功するマイノリティに対する反発があるといわれてきたのですが、それなりに安定した正社員層が多い活動家の実態をみる限り、そのような不安原因説は当てはまらない。むしろ、活動家たちは、それなりにしっかりとした合理性にもとづいた戦略や政治的効果を考えて行動している。しかし、理性的に戦略を立てているからといって、かれらの活動が理性的であるというわけではない。その思考の底にある、事実認識のゆがんだ歴史観や民主主義や人権を顧みない危険な思想は、病理的でですらある。つまり、病理的な人々ではなく、正常な人々の病理的な運動という問題が、ヘイトスピーチ運動を考える鍵になるとのことです。
 このような基本的な視点にたって、現在のヘイトスピーカーを縦横に分析した樋口直人さんのお話に、耳を傾けてみたいと思います。最近の日本は「かなり変!あぶない!」と思われるみなさま、必聴の番組です。