08年2月のステーションメッセージ~同性愛者から、社会的権利の不備を問う!


日本国憲法を読むバナー毎月第3日曜日15時~16時、再放送その週の水曜日夜9時から10時までです。
今月の「FMわぃわぃステーションメッセージ 日本国憲法を読む」は、2月17日日曜日3時から4時
再放送は2月20日水曜日夜9時から10時
戦後60年を過ぎた今、民主と平和と不戦、そして人権を謳った誇るべき「日本国憲法」とはいっても、そこに加えるべき新たな文言が必要にもなってきたこたことを実感させる番組となりました。
「ひとりひとりが自分らしく生きるため」の権利それを「日本国憲法」は保障しています。
しかしその「ひとりひとり」は、十把一絡げにした人々、ではなく様々な違いを持った人々ということであるということが目に見えるようになりました。
ひとりひとりが、自分らしく誇りをもって生きてゆける社会を創りたいと声を揚げ始めることが可能になった今、その人々のために、新たな条項の立法化が必要であると心から感じる一時になるはずです。(共にまちに住む同じ住民として。。。)
今回おいでいただいたのは、声を上げ始めた人々の中の一つのカテゴリー同性愛者、レズビアンカップルの若い妙齢のお二人です。
そして彼女たちが選んだ間に流れる音楽は「MIKA(ミーカ)」♪です。


田川さん&ミカさん
今回の出演の二人は、同性愛者の目線から見て、みなさんと同じように、まちで普通に生活していくうえで【不便に思っていること】【生きづらいなあ】と感じることを伝えたいとおいでになりました。「つたない点もあると思いますが宜しくお願いします。[:汗:]」と恐縮する笑顔の可愛い、そしてとっても真っ直ぐな目をしたふたりです。最後までお付き合いくださいませ。、、、以下は二人の番組内でのあなたへのメッセージです。

[:右:]私は、会社員ですが一般的な目で見ると、同性愛者である事は分からないと思います。ラジオなので姿は見えませんが、どこにでもいる20代半ばの女性です。性的思考は目に見えないもの、その上テレビ等のメディアで、お笑いの対象にされることが多いです。
そのため、当事者たちは笑いものにされるのでは、、、という恐れから自身が同性愛者である事をオープンに出来ません。
当事者同士の集まりでさえ、本名を名乗る事は少ないのです。今回は私たち二人は、勇気を出して、また「社会の中で見える存在になるべきだ」という思いで、この出演を決めました。しかし社会的権利のまだまだ取得できないと言う事を考え、匿名で出演する事をご了承ください。
日本社会にはまだまだ同性同士では生きにくい環境です。そんな生きにくさや自分が幼年期に感じた様々な苦しみを、必ず産まれてくるであろう次の世代の子どもたちのために味合わせないため、運動してゆく第一歩として、みなさまに聞いていただきたいと思いお話いたします。

1.同性愛者について
まず同性愛者について説明したいと思います。
同性愛者とは、辞書で調べると「同性の者を性的愛情の対象とすること」つまり同性を好きになる人間です。
精神の病でもなんでもなく、1993年には、WHO(世界保険機関)でも同性愛はいかなる意味でも、治療の対象にはならないと宣言されています。
人口の5-10%に同性愛者が存在しているという統計もあり、職場、学校にも一人以上はいることになります。
つまり同性愛者は、数%の確率で必ず生まれてくる存在です。あなたの周りに存在する、普通に生活している人間です。
その事をまず理解してください。思春期になり誰かを好きになる、、、その相手が同性であるという指向を持っていたということです。

2.日本の同性愛者の現状(困っていること)
①日本の婚姻制度
ご存知のとおり日本では同性同士の婚姻を認めていません。それは男女を前提とした憲法だからです。
例えば必須の家を借りる時。
親族関係にない同性同士にはなかなか部屋を貸してくれません。それは、友人同士で借りようとすると、特に女性同士だと一方に彼氏が出来たら一人では家賃が払えなくなるのではないのかという目で見られるからです。これは社会的に女性の賃金が現時点でも低い、、ということに起因する社会的常識から派生する考えです。それに比べると男女のカップルだと恋人同士であれ、婚約中ですといえばそれだけで信頼される、、、そtれは社会的通念とともに賃金体系といして男性は基本的に二人で生活できるぐらいの金額があるはずとみられているというところに起因しているのでしょう。
また、当然ながらファミリー物件には入居できません。ある女性同士のカップルは、片方のお母さんが名義人となり、いとことしてマンションを借りています。これは親にカミングアウトしているからできることです。
これは親にカミングアウトしているからできることです。
マンションを買うにしても、同性カップルの場合婚姻関係がないので、マンション名義人である方が先に亡くなった場合、婚姻関係でないパートナーは、単なる他人である為住む家がなくなります。
昨年の参議院選挙で、公に女性同性愛者であることカミングアウトしている元大阪府議会議員の尾辻かな子さんは、大阪府の議員時代、都道府県で初めての公社住宅でのハウスシェアリング制度を導入しました。これは「大阪府住宅供給公社が運営管理する住宅に、同性カップルなど、法律上の親族以外の単身者同士でも同居が可能になった」というものです。

②日常必須の携帯電話。
ドコモやAUは同性同士のカップルは法律上家族にはなれないため、家族割りはできません。
ただしソフトバンクの場合、同じ住所と証明できるなら加入できます。ソフトバンクは、法律上ではなく、一緒に生活している人を家族として捉えているため、同性同士のカップルでも家族割りに加入することができます。

③社会の圧力
特に女性同性愛者の場合、賃金の面で男性と比較すると年をとるにつれ賃金格差が広がる現状があります。その上年をとるにつれ、女性は結婚をしてやめてゆくのが当たり前と思われているので、働き続けるという男性なら当たり前のことに疑問をもたれる事があります。
結婚という形式を認めなくても、社会的に人間らしく生きてゆくための「人が人たる生活を営む」憲法にうたわれている権利がほしいのです。
結婚していれば片方は働いている人の扶養に入り、保険、年金、税金が免税の対象になり、どちらか片方が先に亡くなっても、財産の問題やお墓にも一緒に入れます。もし事故にあったも、家族へは連絡が行きます。しかし世間的には単なる友人であるパートナーには、一番大切な人の緊急な事態に対応できないという高い壁が存在します。異性愛者のカップルであれば普通にある権利が同性同士のカップルにはありません。

3.まとめ
日本の60年前に作られた憲法では、その範囲外の生き方をする人間は保証されません。これは同性愛者だけの問題だけではなくその枠に収まらない人達にも言える事だと思います。60年前には考えも及ばなかった、様々な違いを持った人々が声を上げ始めています。
この声を「聞く耳」、そして「声をあげる勇気」が必要とされている時代になったと思います。
これからの社会が同性愛者や少数者に優しい社会になることは当事者のメリットだけではなく、多数派の生きやすさにもつながると思っています。
自分らしく生きる事を肯定される空間は、どんなに心地いいものでしょうか。。
攻撃や侵略や私利私欲のためではない、自分を否定されることのない、誇りを持って生きてゆける人生をすべての人に保障するための「憲法」に、よりバージョンアップするための、声をあげてゆきたいと思っています。