1.開催日時 2007年3月28日(水)17時~18時
2.開催場所 弊社サブスタジオ
3.委員の出席
3-1.委員総数 7名
3-2.出席委員 6名 為岡務・正岡健二・萩尾利雄・ 高木邦子・山本幸男・中村忠司
(代理出席:平川愛恵)・澤田智恵子
補:放送事業者側出席者 日比野純一・金千秋・平野由美子
4.議事
4-1.番組審議
第9回審議番組 3月12日(月)12:20~12:30放送
3月19日(月)12:20~12:30放送
「 Yukaのグローバルクッキング」
パーソナリティ: 正路 ゆか さん
聞き手 : 吉富 志津代 さん
提供:国際クッキングクラブ
多言語センターFACIL の
『世界の食卓とおもてなし』の出前サービス
「まちはイキイキきらめきタイム」月曜日(12:00~12:55)の中のコーナー。
世界各国の料理のレシピを紹介する番組。
正路ゆかさんは、国際クッキングクラブを主宰して20年。これは日本在住の各国の主に主婦の方を講師にお招きし、その国の家庭料理と併せて歴史、文化などを学ぶ教室です。
ご本人曰く、“美味しいモノと健康にこだわりを持つ主婦”ということですが、実際に50ヶ国以上の国々を訪ねて経験したことを活かし、料理のお話を中心にお国柄などいろいろなエピソードをご紹介します。
5.議事の概要
5-1.番組の基本コンセプトの説明後、審議を行う。
6.審議内容
6-1.出席者の審議
【高木邦子委員】
聞き手の吉富さんと正路さんのお二人がすごくいい感じでお話をされていたし、
料理に関してもとても詳しく感じられた。
ただ、調味料の具合とか次々と話されていたが、聞きながらメモをする立場にしたら一回では追いつかないのでもう一回繰り返して話して欲しかった。
特に聞き慣れない調味料もあったので…。
もう一回言って貰ったら作ろうかなぁとか、食べてみたいなぁという気になったと思う。その辺の説明がもう少し欲しかった。
お二人の掛け合いはゆっくりとしたテンポで調度よかった。
吉富さんの食に対する博学さが分かったし、吉富さんの手料理も食べてみたいなと思いました。
【放送事業者側出席者:金千秋】
では、「最後にもう一度材料を…」というようにしたらよいでしょうか?
【為岡勉委員長】
再確認が必要ですね。
【高木邦子委員】
メモするのに忙しかったですね。
【萩尾利雄委員】
私は料理とかいうものにほとんど興味がないので、そういう者にとっては全く退屈な番組である。
話の語尾が聞き取り難いとちょっと感じた。特に出だしのあたりの会話が二人とも聞き難かった。
ちょっと引っ掛かったのは“重たい味”“重い味”という表現。
なんとなく語感で分からないではないが“重い味”って何なの?と言葉として引っ掛かった。「これを解説してご覧?」と言われると多分困るのではないかと思いながら聞いていた。
【正岡健二委員】
私も感じました。
【萩尾利雄委員】
内容には興味がない。料理を作るということに対しての興味は。
食べるものに関してはこだわりはない。
【放送事業者側出席者:金千秋】
そういう人もいるんですね。
【澤田智恵子委員】
それぞれの街の話など、話の内容を納得しながら聞いていた。
お二人の息が合っているなというところもあり、話として聞いている分には面白く感じた。
ただ、高木委員の指摘のとおりで、私もレシピを書き留めながら聞いていたが、結局もう一遍聞き直したということもあり、これでは作ることができないなというのが実感としてある。
ずっと聞いている人はあらかじめ番組の様子が分かっていて、例えば録音するなどして
その料理を作っているのかとか、一般のリスナーはどんなふうな聞き方をしているのか
と気になった。
やはりもう一度きっちり教えてもらった方が有難いなと特に感じた。
先程萩尾委員が指摘した“味が重い”という表現は、私もケーキとかが好きなのでなんとなく感覚としては非常によく分かる。
ロサンジェルス編の豆の煮込み料理は、私自身も自己流ではあるが作ったりもするので、そういうふうに比較して聞く楽しさみたいなものはあった。
ただ、レシピはやはり繰り返しきっちり言っていただいた方が、“作ろう”という人にとっては親切かなと思う。
【放送事業者側出席者:金千秋】
番組のコンセプトとして、「世界のいろんな料理があるよ」という紹介するだけのつもりなのか、「是非実際に作って欲しいです」と伝えたいのか、それをもっと明確にすればよいのだと思います。
【澤田智恵子委員】
そうそう。どっちか分からないのです。
【高木邦子委員】
ここまでお話をするのであれば、もうちょっと詳しく“作ってみようかなぁ”というところまでもっていかないと中途半端で勿体無い。
【正岡健二委員】
「どなり」の音に比べて本編の声の音量が急に小さくなって、スタートしたのが分からないくらいだった。ボリューム調整をして聞いていたが、また最後になって急に大きくなったので、その辺の調整が必要。
これは毎回指摘しているが改善されていない。
出演者の紹介が頭にない。
毎回はじめてのリスナーがいるということを意識しながら喋らないといけない。
そうするとまず最初にどちらがメインか聞き手かということが分かる。
この番組は二人ともが同じようなポジションで話している感じなので、そこをはっきりさせるとよいと思う。
料理の番組ということで、最初はどんな料理が出てどうなるのだろうかと考えていた
が、10分の時間の中で、一つ目のウィーン編は街などの紹介の話が6分くらい。
【高木邦子委員】
これは長く感じた。
【正岡健二委員】
ロサンジェルスの方は4分30秒くらい。
これをもっと料理の話に使ったらよいのではないか。
確かに街の紹介はいるのではあるが…。2分ぐらいにぎゅっと圧縮したらどうか。
初めて聞く人にしたら、いつ料理の作り方の話になるのかと思うのでは。
その辺が気になった。料理は料理としてきちんと分かる方がよい。
語句の説明も要る。例えば話題に上っていたお菓子、「ザッハトルテ」にしてもどんなものか私には全然分からない。
だから分かっている人にはイメージがわくのだが、さっきも言ったように初めて聞く人もいるということを想定して商品や言葉の説明なども入れてやらないといけない。
正にテレビ的な話の仕方。自分のイメージしているものがここにあって皆理解しているという前提になっている。
テレビとラジオは違うということを仕込まないといけない。そうすれば質問の仕方も変わってくる。
【放送事業者側出席者:金千秋】
聞き手は、知らない人やリスナーを代表して「それって何ですか?」というように聞かなければならないということですね。
【正岡健二委員】
その方がよい。
この場合立場が一緒になっている。どちらも分かっている者同士が話をしている。
もっとポジションを明確にした方がよい。
しかし、全体の流れとしては非常に聞き易かったし、質としてはよい番組だと思う。
【放送事業者側出席者:金千秋】
最近は「わぃわぃにしてはよい」とずっと言っていただいていますね。
【正岡健二委員】
初期から関わっている者としては随分成長したなと思います。
【中村忠司委員(代理出席:平川愛恵)】
私は食いしん坊なので話の内容は大体分かったし付いて行けてたと思いますが、すごくカタカナの多い番組だなと先ず思った。
初めて聞く言葉などを調べてみて勉強になったし、一遍聞いただけでは分からなかった単語を理解すると番組内容をなるほどと思えたが、普通に聞いているリスナーの方は、分からない言葉は“何だろう?”と思ったまま消化不良になるところがちょっとあるのかなと思った。
それぞれの国の背景というか文化の中でこういう料理があるというお話の流れは面白かった。
ある国の文化や習慣、歴史、お国柄などを対談形式で語り、その国の代表的な料理を作るのにリスナーでも入手できる材料を考えて紹介してくれているのが嬉しい。
パーソナリティの方は、異国文化を理解し知るという視点で風習の違いなど(例えば、お手洗いの利用方法など)を紹介してくれている。
自分で現地に行って知ることで改めて理解することは可能だが、この番組で得た情報やまた料理を作ってみることで日本に居ながら異文化体験ができる。
気になった言葉遣いがあった。
・ おなかの中で思う
・ 不法就労者の方がいらっしゃる
→ 敬語の使い方 文章として丁寧にしなくてもよいところにも使っている。
・ 「夫」と「主人」の使い方
→ 悪いイメージではなく使う人の問題意識が窺える。
・ チリパウダーの「たち」
→ 本来「たち(質)」は人に関することに用いる言葉。
正路さんは、多言語センターFACILの事業の一つである『世界の食とおもてなし』の出前サービス、通称“せか食”のお客さんだったそうです。
月に一遍か二ヶ月に一遍、世界の料理を楽しむサークルを震災の後ずっと自宅の近所の公民館で開いておいでです。
【為岡勉委員長】
悪くもないし、話も二人の掛け合いに最初からすっと入っていくことができた。
ただひとつ気になったのは、今回聞いた二回の番組とも同じようなパターンで入っているから、何回分も収録で録っているんだろうということ。
やっぱり収録かなというのが絶えず見えている。毎週の番組の中でコーナーとして聞いていれば気がつかないのかも知れないが、それが出てきているというのはなれというものか・・・。
収録でも一回一回新鮮味が欲しい。
マイクの向こうのリスナーに向かったトークをしていかないといけない。
おいしく聞こえる喋り方になっていたと思う。
番組としてはよいと思う。分からない言葉を解説してほしいというのは皆さんの意見と同じである。
【放送事業者側出席者:金千秋】
為岡委員長のご指摘にあったことを実践していけばレベルアップはすると思います。
聞き手は、よく知っていることでも知らないリスナーの代表であるという意識を持つというこであるとか、全然料理に興味のない人を取り込むにはどうしたらよいかということも考えないといけませんね。
【山本幸雄委員】
いつも指摘しているが、“どなり”の部分の音が大きい。しゃべりの声が小さい。
カタカナの言葉が多い。
この正路さんはうちのお客さんです。ラジオの声は普段と全然違う。
【萩尾利雄委員】
ラジオで料理の番組をするのはそもそもテレビと比べて物凄くハンディキャップがある。そこを敢えてやるのか、「この料理はこういう背景があるんですよ」みたいな話ばっかりにしてくれたらまだ分かるのだが。作るとかいうのとは関係なしに・・・。
【正岡健二委員】
町の紹介は面白かった。退屈せずに聞けた。料理の番組にすると、“いつから料理の話が始まるのか?”と感じる。6分というのは長い。
【萩尾利夫委員】
どっちにするかという気がする。
【放送事業者側出席者:日比野純一】
正路さんは、多言語センターFACILの事業の一つである『世界の食とおもてなし』の出前サービス、通称“せか食”のお客様だったそうです。
月に一遍か二ヶ月に一遍、世界の料理を楽しむサークルを震災の後ずっと自宅の近所の公民館で開いておいでです。
萩尾委員のご指摘に関してですが、まだ企画段階ではありますが、この番組に登場する料理のレシピや写真は全部ありまして、それを弊社のホームページで閲覧できるようにしたいと考えております。そういう目論見で始まった番組ではあります。早急に企画進行をしていくつもりです。
【萩尾利雄委員】
そういうのとセットでやるなら分かる。
【正岡健二委員】
個人的には街の紹介と代表的な料理という話がいいです。
【萩尾利雄委員】
食文化として語る番組だったら作り方までは要らないと私は思う。
【放送事業者側出席者:金千秋】
しかし料理を作る人にしたら、「ここをこうひとひねりしたらおいしい」というのは聞きたいのですよね。
正路さんがこの番組でどういったことをメッセージとして伝えたいかということを明確にしていくのにはよい機会であると思います。
WEB上でリンクさせる方法の中で、「これはホームページ上でご覧下さい。」と言ううようになれば、また番組自体が変わってくると思います。
【為岡勉委員長】
この頃はラジオなどでもホームページを絶えず紹介していて、ここには詳しく情報が載っていますというのをよく聞きますね。
【放送事業者側出席者:金千秋】
そうですね。しかしその場合はインターネット環境にない人はどうしたらいいのかとか、目が見えない人の場合はなどということもありまして、いろいろなやり方を考えなければいけない今は過渡期ですね。
【為岡勉委員長】
料理番組はむずかしいですね。
【萩尾利雄委員】
目で見たらおいしそうかどうかはほとんどの人が感じる。聞いても(料理に関心のない人は)分からない。
【放送事業者側出席者:日比野純一】
つい食べたくなるぐらいな話でないといけないんですね。
【萩尾利雄委員】
そうそう。むしろその方が大事だと私は思う。
【正岡健二委員】
ただ、私もどちらかといえば書くのが早い方だと思うが、(材料や作り方を)書いて見たら何箇所か抜けた。後から出てきたら書き足せるけど…。
【放送事業者側出席者:金千秋】
食の番組なら誰でもが興味があるかと思ったらそうではないということが分かって、私としては大きな発見でした。
【為岡勉委員長】
以上で2006年度番組審議委員会は終了です。本日はどうもありがとうございました。
【一同】
ありがとうございました。
【放送事業者側出席者:金千秋】
また来年度もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置
番組担当者とのミーティングを持った。
・ 聞き手と話し手の区別をつける。
・ 聞き手はリスナーの代表としての意識を持つ。
・ 番組の最初にこの番組の主旨や話し手、聞き手の紹介部分を毎回入れる。
・ 「どなり」と「エンド」の会話の音レベルを合わせる。
・ 毎回初めて聞いていただく方に向かって喋る気持ちで収録する。
8.審議内容の公表について
8-1.公表内容 議事の内容
8-2.公表方法
8-2-1.自社放送 ‥2007年5月5日(土)17:50~18:00放送
8-2-2.議事録の設置
8-2-3. ホームページに掲載
以上